4933.2020年11月13日(金) 鉄道運賃値上げか。

 新型コロナウィルスが、相も変わらず世界中で感染を拡大している。国内でも感染者の増加が警戒されているが、それと同時に気がかりなのは経済面へ及ぼす影響である。特に観光、交通、飲食、宿泊関係への直接的な被害がそれらに勤める社員の生活まで蝕んでいる。

 これまで安定して順調な経営を続けてきた大手鉄道会社が、JR、及び各私鉄ともにかつてなかった大きな試練を受けている。昨日公表された首都圏大手私鉄8社の中間期決算は、売上高が大きく減少し純損益は軒並み赤字で、年間決算も赤字が見込まれている。観光路線を抱える西武、東武、小田急などは特に営業面で効いている。そうでなくてもリモートワークにより通勤客が減少し、定期収入が大きく落ち込んだ。各社とも売上高は前年同期比で20%以上落ちた。当分明るい材料はないが、そうもしておれず各社とも知恵を絞っているらしい。結局行き着く先は、運賃値上げになるのではないだろうか。物価が値上がりしている中でも鉄道会社は堅実な経営を続けて、近年になって運賃値上げを実施した会社はない。それが、売上高が対前年比で小田急▲36%、西武▲47.4%、京王▲36.5%、京急▲37.7%という惨憺たる実績では、そう簡単に代替策は見つからない。頼るのは、結局のところかつては1年おきぐらいに実施していた運賃値上げである。早くも関西の私鉄では、近鉄が値上げの検討を始めたようだ。仮にそうなれば、運賃値上げは1995年以来25年ぶりのこととなる。

 つまり如何に好景気、安定企業であろうとも、いつ、何が厄介な魔物となって身の上に降りかかってくるか分からないということだ。以前は私鉄経協と私鉄総連の間の賃上げ交渉のもつれの末、春闘の恒例として私鉄のストライキが常態化していたが、或いはこれも復活するやも知れない。

 ところでその元凶である新型コロナウィルスの感染者は、昨日全国で過去最多の1,662人だった。5つの道府県、北海道236人、神奈川147人、兵庫81人、茨城26人、岩手10人では過去最多だった。今日も昨日に引き続き過去最多、全国で1,694人の新規感染者を出した。東京では374人の感染者が出て、300人以上の感染者数は3日連続であり、大阪では263人で4日連続の200名超えで過去最多の263人だった。

 緊急事態宣言発出が噂される中で、西村経済再生大臣は正式には「第三波」が来たとは言っていないが、より強い処置を取らなければいけないと発言しているし、「GO TOキャンペーン」については、政府のコロナ対策分科会・尾身茂会長は、感染拡大を抑える最後のチャンスとも言い、ひとつステージが上がれば「GO TOキャンペーン」は当然停止と発言している。今夕の朝日「素粒子」には、「なぜ第三波と認めないのか。認めて緊急事態宣言や『GO TOキャンペーン』の見直しを求められたら困るから、では困る」と皮肉られていた。いずれにせよこのままの状態が続けば、「GO TOキャンペーン」も中止となる可能性が高い。実際「GO TO EAT」キャンペーンは発売を中止し、3月一杯で計画自体を止めることにした。25日から「GO TO TRAVEL」で京都へ行くことになっているが、これは大丈夫かなぁ。

2020年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com