今日福島地裁で画期的な判決が出た。原発事故によりそれまで住んでいた町から避難していたが、一時帰宅中に焼身自殺した女性の遺族が東電に賠償を請求し、福島地裁は遺族の意向を汲みいれて東電に4900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。原発事故と自殺の因果関係を認めた初の判決となった。遺族にとっては遺族に寄り添った判決と評価されている。
遺族である夫が訴訟を起こした段階で、東電側は必ずしも事故が直接自殺を誘因したとは言えず、自殺した女性の脆弱性も影響していると当初取り合おうとしなかった東電側の姿勢が一部で非難されてもいた。それはそうだろう。加害者側には被害者の気持ちがよく分かっていない。
東電は亡くなられた方の冥福を祈ると神妙にしながらも、これからの対応は検討すると言いながらも、これが前例となることを恐れて控訴する可能性もある。
しかし、それにしても辛い事象である。これからも同じような裁判があるのではないだろうか。
さて、来年度の一般会計概算要求が出そろったようだ。財政立て直しを散々言われ、今年は消費増税を実行していながら、支出を抑えようとの考えは政治家や各省庁にはまったく感じられない。今年度当初予算(95兆8823億円)に比べて6兆円も増えて、ついに100兆円の大台を超える。
社会保障費がある程度膨らむことは、少子高齢化現象の折止むを得ない点もあるが、最も抑制すべき公共事業費が今年度当初比16%増という跳ね上がりで、一時財政立て直しの声もあったが、そんな空気はまったく感じられず、これではいくら増税してもまるでザルである。使えるものは使おうとする政治家の脳みそを全部取り換えるようでないと、このまま日本はずるずる浪費国家になってしまうだろう。
今日時点で広島土砂災害の犠牲者は、死者66名、行方不明25名となった。