4897.2020年10月8日(木) 民間企業不況の中で国家予算は膨張の一方

 新型コロナウィルスの影響が世界的に広く及んでいる中で、日本では経済面で打撃を受けながらも国の支出予算ばかりは増えている。来年度の概算要求額を見ても数年来財政支出抑制の声がありながら、今年度に比較して全体で4.5%も上乗せされている。減額は、警察庁と皇室費だけである。最も高い増額予算を要求したのは、経産省27.5%、環境庁26%、農水省19.9%、文科省11.4%、外務省13.6%である。庶民の生活実態を知らず、また配慮しない官僚と政治家がすべてを仕切っているからである。

 先日の本ブログにも指摘したが、近年青天井で増えつつある国家予算の中で、社会保障費の多い厚労省の32兆9千億円をトップに、以下総務省16兆8千億円、国交省6兆1千億円、文科省5兆9千億円の順である。次いで、防衛省が5兆5千億円もの多額の予算を要求している。今以て違憲の可能性が高い防衛関係費が、なし崩し的に増額支出され、いつの間にか国家予算の中枢を占めるほどの支出を行うことになっているのはおかしいと思う。このままにしておいて良いのだろうか。ここは1度国民的議論を戦わすべきではないだろうか。

 景気対策が行き詰まる中で、政府もあの手この手を振り絞って対策に当たっているが、今日発売の「週刊新潮」に、「GO TO TRAVEL」「GO TO EAT」の高笑いは二階自民党幹事長とJTBだけだと、国民に恩恵が及んでいない実態を皮肉っているようである。それでも今年7月まで景気は悪化と診断されていたが、8月に入り漸く輸出や生産業が回復して、景気下げ止まりの傾向が見えてきた。このままコロナが終息し、回復することを願うばかりである。

 この間経済不振で最も影響を受けたのが、観光業である。大小を問わず打撃を受けたが、大手企業でも航空会社の被害が甚大なようだ。国際線乗客がほとんどいなくなり、全日空では今年4~6月期の旅客数は前年同期と比べて国内線で89.8%減、国際線で96.3%減に陥り、純損益で過去最大となる1,088億円の赤字となる見通しである。人員解雇もそう簡単には出来ず、このままでは経営が成り立つまいと思っていたところ、会社側は組合に対して全社員の賃下げを提案した。

 それによると冬のボーナスを支給しないことと、すでに支給した夏のボーナス1.5か月分、それに若干の給与の下げを合わせると前年度に比較して約3割の減収になる。これを1万5千人の従業員に求めるという。他にも希望退職も募るという厳しい労働環境になった。給与の減額は20年ぶりだという。こういう実態をあまり国会を開かず国民のことを考えることもなく、黙って高給をいただいている国会議員は、どう思っているのだろうか。

 コロナでは日本中が暗い窮屈な空気に包まれている。コロナを軽視して元気を装っているのは、世界中でトランプ大統領ただひとりである。ワシントン・ポスト紙は「トランプ政権というのは傲慢で虚栄心の塊で無能の極み」とこき下ろしているが、こういう愚かな大統領の言動は当てにせず、我々庶民は1日も早いコロナ禍の終息を願うばかりである。

 それにしても今日は寒い。南方洋上に台風14号が発生して数日内に関東地方にも襲来するらしい。その影響もあるのだろうか、東京都内の今日の最高気温は15.5℃だった。11月中旬の気温である。寒いわけだ。

2020年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com