4896.2020年10月7日(水) 学術会議会員任命拒否と大統領コロナ感染

 現在国内外で大きな話題となっているのは、国内では日本学術会議の推薦会員候補者のうち6名が菅首相から任命されなかった点を巡り、学問の自由への侵害としてもめている問題である。他方海外では、アメリカ大統領選を1か月後に控えてトランプ大統領が2日に新型コロナウィルスに感染し直ちに軍医療施設に入院していたが、僅か3日後に退院して業務に復帰した常識外の行動である。

 前者は任命を拒否された6人が、近年政府の特定秘密保護法案、安保関連法案、共謀法案にそれぞれ反対していたことが理由と見られている。これに関して記者会見した菅首相は、任命拒否は適法としつつ、中曽根元首相が在任当時、推薦された学者をそのまま任命すると語った発言については、前例を踏襲して良いのかと考えたと語った。そのうえで任命拒否は学問の自由とはまったく関係ないと明言した。この強気の姿勢からするとこれからも広い分野で、人事への政府介入トラブルが発生するのではないかと懸念される。

 後者については、トランプ大統領の行動は無分別で非常識だという人が多い。普通コロナは発症後2週間目ごろに炎症が起き、重症化することが多い。トランプ大統領が高齢で肥満気味のため重症化のリスクが高く早期退院には疑問の声が上がっている。加えて大統領の退院のパフォーマンスが病人とは思えないほど派手なことだ。コロナを軽視してコロナ対策で散々評判を落した大統領が感染したことは誤算だった。それをコロナに打ち勝ったとPRしたくて車で支持者の前を走って拳を固めたり、医療施設からヘリでホワイトハウスへ降り立つと建物には自力で歩いて元気なポーズを見せたりして大統領らしいパフォーマンスを行っていた。

 しかし、ホワイトハウスの側近の間に18名もの感染者が出たり、入院して未承認の抗体治療薬を飲んだり、酸素濃度が2度も低下したり、24時間体制で医師団が待機して治療に当たっているが、医師団の言葉も今ひとつ煮え切らない。12日までこのまま行けば、最終的に安心できるとしているが、依然健康状態が懸念される。

 今度の大統領コロナ感染により、コロナの恐ろしさを改めて周知させることになり、これまでコロナ対策に本腰を入れなかったトランプ大統領は、選挙戦で益々不利な状況に追い込まれている。郵便投票を組み込んでいるので、最終的な選挙開票結果は11月3日の即日結果判明というわけには行かないが、いずれにしても1か月後には今後4年間の新大統領が決定していることだろう。

2020年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com