4888.2020年9月29日(火) コロナの感染死者百万人に

 世界中に猛威を振るっている新型コロナウィルスの死者の数が、今日ついに百万人に達した。感染者は実に3千3百万人を超えている。この勢いは一向に衰えを見せる様子がない。世界中から1日も早い開発が望まれているワクチンは、まだ臨床実験段階で現実化していない。世界の景気を冷えさせ、多くの人びとを不幸に陥れている病原体を根絶しない内は、心から気持ちを休めることが出来ない。下手をすると我々高齢者は、このままコロナ禍の中に人生を全うすることになってしまうのだろうかと浮かぬ気持ちにさせられる。1日も早いワクチンの開発が期待される。

 さて、近年若者たちが間違った日本語をよく使うと話題になることがある。若者に限らず、多くの日本人がその穴にはまり込んでいる。自分自身も間違えて使っている日本語がかなりあるので、あまり批判がましいことは言えない。

 特に最近「メチャクチャ」という言い方が、良い意味で使われることが多く煙に巻かれることがある。「メチャクチャ」と言えば、ずばりメチャクチャでダメだと言う風に思っている。ところが昨今はそうばかりも言えないようだ。「メチャ好い」は「すごく好い」という使い方で若者たちが話しているからだ。

 今朝の朝日新聞「天声人語」にも困惑するような表現の例がいくつか紹介されていた。「全然大丈夫」という表現を例に挙げている。「全然」は否定形につく言葉だと考えられているが、言語学者の言によると「全然+肯定」の用法は江戸時代から使われ、明治になっても珍しくなかったという。知らなかったが、漱石の「坊ちゃん」にも「全然悪るいです」の台詞が出て来ると解説している。

 間違って使われている言葉のリストに「敷居が高い」が載っている。これは、普通「高級過ぎたり上品過ぎて入り難い」という風に考えられがちだが、実は「相手に不義理などをして行き難い」というのが正しいらしい。もっと驚いたのは「元旦」の正しい意味である。元旦と言えば、1月1日の24時間だと思っていたところ、元日の夜明けから明け方までの時間帯を表す言葉のようで、1月1日の日中や、夜は「元旦」とは呼ばないとは初めて知った。どうにも信じ難く思って手元の「大辞林」を引いてみたところ「元旦」とは「1月1日の朝、元日の朝」と書かれていた。やはり「元旦とは1月1日の朝」が正当なのだ。他にも「微妙」「姑息」「甘党」などの意味を知って唖然とした。それらは、順次「趣深くなんとも言えない美しさがある様子」「一時しのぎ」「甘いものより酒好き」というのが正しい意味だそうだ。いずれも本当だろうかと首を傾げる。よく使われる「甘党」なんかは「辛いものは苦手でその代わり甘いものには目がない」という風にこれまで考えていたが、完全に間違っていたようだ。「複雑骨折」や、「割愛」なども普通に使われている用法は、本来の意味とは大分かけ離れている。

 また、よく使われる言葉に「檄を飛ばす」という言い方があるが、これは一般的に使われる「激励する」という意味ではなく、「自らの主張を強く訴える」ということだそうだから、誤解されやすい。「情けは人の為ならず」という文言があるが、これも通常理解されている「他人に甘い情けをかけると、本人のためにならない」ではなく、「人に情けをかけると、巡り巡って自分に返ってくる」という意味で、むしろ他人に情けをかければ、回りまわって自分に還元されるという具合に、情けをかけると自分が得することになる。通常使われている言葉の逆の意味であることが判る。よくよく考えてから使うよう気を付けたいと思う。 

2020年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com