4885.2020年9月26日(土) 食わせ者・菅首相の化けの皮が剥がれた。

 走り出してから早くも10日が経った菅政権であるが、週刊誌には「アベスガ内閣」と現政権を揶揄するような表現が見られる。安倍政権は、森友・加計学園問題、桜を見る会、公文書偽造・隠蔽問題など悪質な問題を頬被りして世の批判を浴びていたが、一向に説明責任を果たそうとしなかった。これをそっくり引き継いだ菅政権は、疑惑に応えることなく「桜を見る会」を今後中止すると語ったが、疑惑の説明もせず止めれば良いというものではあるまい。反社会的な悪事を行った前首相とそれを誤魔化し隠してきた現首相は、いずれにせよ似たようなものだ。その辺を気にしたのか、菅首相は疑惑から国民の気持ちを逸らすため、官庁の組織をちょっといじって、河野行革大臣と平井デジタル担当大臣に、はっきりと効果を上げる施策を考えるよう要望した。これが一部には、受けているようだ。

 さて、その菅首相のやり方だが、かねがね内閣官房に剛腕の官僚を配置して官邸官僚として手なずけて各省庁官僚に睨みを利かせていると評判だった。その結果ここへきて表面化してきたのは、地方銀行の再編問題である。確かに近年金融自由化による金融緩和で低金利が浸透し、どこの金融機関もアップアップの状態である。実際バブル期には13行だった都市銀行が5行に集約され、地方銀行は132行が102行に減少した。それでも地方銀行が多過ぎると考えているのか、「地方銀行が多過ぎる」と声を発した。これにショックを受けた地方銀行からは反発の声も上がっている。

 しかし、よく考えてみると銀行のような金融業は、最も資本主義的な業態である。資本主義的経済体制の下では、経営者に自由に経営を委ねて国の介入は極力避けなければいけない。いかに「大首相」が、それは間違っているので、こうあるべきだと国が民間業種に口を出して介入することは、絶対避けるべきである。スタートでそれなりの評価を得たとしても、多少のアドバイスならともかく、介入して再編に口を出しては、これから第2、第3の露骨な民間企業への口出しが続く恐れがある。それに、これは財務省、金融庁が直接タッチすべき問題で、首相が直接影響力を与えるような印象を与えるのは好ましくない。尤も担当の麻生太郎財務相は、ほとんど管轄の財務省の業務が理解出来ていないようだから、仕方がない面があるのかも知れないが、首相が直接民間企業の営業にまでプレッシャーを加えるようだと、日本は自由経済、また民主的な資本主義国家と言えるのか、疑問を抱かせることになる。

 菅首相の言動が少々気になっていたところへ、今日以前から菅首相から嫌われている東京新聞の望月衣塑子記者がツィッターに「コロナ禍で元首相への葬儀に9千6百万円の税金支出。雇用悪化と景気後退なのになぜ?菅政権は『無駄撲滅』ではないのか」と書いて厳しく批判している。元首相とは、昨年亡くなった中曽根康弘氏である。内閣・自民党合同葬の経費として支出することを閣議決定したのだ。いくら元首相とは言え、国葬でもない政党主宰の葬儀に、国民に理解も得られないような税金の使い方をするのは、理不尽でやり過ぎではないか。葬儀は、死去されてほぼ1年後の10月17日に豪華な「グランドプリンスホテル新高輪」で行われ、巨額の支出を容認した菅首相が葬儀委員長を務めるという。

 これで完全に菅首相の化けの皮が剥がれた。恰好好いことを言いながら、本音は国民や国のことなぞまったく考えてもおらず、無駄遣いのし放題で身内のご機嫌取りに夢中なのだ。やはり安倍前首相を継承しているだけのことはある。いずれにせよ2代続いて首相には食わせ者が就いたということだ。国民としては、今後心していかなければいけない。

2020年9月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com