第2次安倍改造内閣発足で経済産業大臣に就任した40歳の小淵優子氏は、経済政策通といいうわけでもなく、変動の激しい日本経済のかじ取りを担うのは、少々荷が重いのではないかと懸念していたが、アメリカの「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙も早々に不安感を表した。そして、そんな声を意識したのか、小淵氏は川内原発再稼働に前のめりの考えを述べた。
ところが、昨日、今日の新聞を見ると小淵氏の原発再稼働の意に反して、原発の廃炉問題が大きく取り上げられている。関西電力では、美浜原発2基の廃炉を検討しているという。この2基は稼働以来すでに昨年国が決めた「原則40年」を超過した。これを「最長20年間の延長」は可能であるが、新たな基準に基づく地震や火災などの追加対策で、巨額の設備投資が必要になる。延長した20年後を考えると相当な経費がかかることが考えられ、この際廃炉の道を選ぶことも検討するに至った。
だが、問題は一筋縄でいかない。それは廃炉にかかる費用が馬鹿にならないことである。これまで廃炉に向けた大きな動きはなかった。現状では電気料金から積み立てた廃炉のための費用の捻出が考えられるが、とてもそれでは足りない。仮に今後廃炉が次から次へと続けば、とても廃炉の費用はとても賄いきれない。更に面倒なのは、現在でも散々話題になっている廃炉で生じる大量の廃棄物の行方である。使用済み燃料から原子炉内の部品まで最終的な行方が決まっていないことである。
これまでは原発再稼働へ向けた議論ばかりが目立っていたが、これからは廃炉を国民的目線で議論することが必要である。
それにしても福島第1原発事故発生前は、原発は費用がかからないと言われていたが、これほど高い買い物はないということを今更ながら思い知らされることになった。
さて、現在西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱がじわじわと広がりを見せ、近代医学では根治できないのではないかと憂慮されている。日本でも最近になってデング熱感染者が表れ、都内の代々木公園で感染したという若者が現れたが、今度は新宿西口公園でも感染者が現れた。いずれもかつての勤務場所に近く、しばしば公園内を歩いたものである。今年は異常気象だと言われているが、このデング熱患者が発生したのも何と70年ぶりだそうだ。
どうしたって人間は自然には勝てない。例え自然をコントロールしたと思っても、そのツケは事故や人類が考えられないしっぺ返しとなって痛めつけられる。