4876.2020年9月17日(木) コロナ禍終息と経済立て直しを

 昨日スタートした菅新内閣に対して野党各党党首は、早速皮肉っぽい呼び方をした。立憲民主党・枝野代表は「安倍亜流政権」と言い、共産党の小池書記局長は「安倍首相のいない安倍内閣」、社民党・福島党首は「居抜き内閣、ちょっとだけ回転寿司内閣、新鮮味ゼロ内閣、安定路線縁故内閣」と言いたい放題である。安倍政権を継承すると言った菅首相だが、流石に「桜を見る会」は継承せず、来年以降は中止すると明言したことは評価されると思う。菅首相が経済面でアベノミクスをこの先も引き継ぐと言ったことはこれまでの経済政策が、それなりの評価を得たと考えているからだろう。

 経済面以外で首相が主に進めようと考えているのは、ひとつは縦割り行政の弊害をなくすことである。これを打破するために首相が改革の意欲を認めている河野太郎氏を防衛相から行革担当相に配置換えした。もうひとつは、今回の新型コロナウィルス対策の過程で、出先機関のIT操作が思うように行かず、書類関係をほとんど手書きで行ったために作業の遅れと無駄が目立ったとの考えから、ITに詳しい平井卓也氏をデジタル担当相に任命し、2年内にデジタル庁創設の段取りを作り上げることである。早々に今後IT戦略体制を整備すべく実行に移したことである。

 口さがない人たちが、いろいろ厳しいことを言うが、予想外に堅実味が感じられる新内閣の行動が、どんな成果を見せてくれるだろうか、ある面で期待もしたいと思う。

 さて、コロナ禍により経済活動に大きな影響が表れているが、中でも観光関連業がその直撃を受けている。そこへ昨日JR東日本が今年度純損益決算は最終的に大きな赤字になると発表した。その赤字額たるや実に4,100億円である。1987年に民営化して以降赤字は初めてである。JR西日本も正確ではないが、民営化後最大の赤字になりそうだと発表した。両社ともにコロナの影響は長期化すると見ている。

 過日手元に得た資料によるとJR各社、及び私鉄22社の今年度第1四半期の対前年比営業収益は、軒並み減収で大きな赤字だった。最も影響を受けなかったのが南海の▲19.5%であるが、他社は遥かに赤字幅が大きい。打撃を受けたJR各社の中でも東日本▲55.2%、西日本▲55.3%、東海▲72.7%、九州▲38.4%である。私鉄でも観光地を抱えている近鉄▲62.1、小田急▲45.5、西武▲54.2%が目立っている。鉄道会社のみならず、航空業界も厳しい。ついに日本航空の出資する格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンは、パイロット及び客室乗務員の希望退職を募ると発表した。同じLCCのエアアジア・ジャパンは来月再び期間限定で全便運休するとともに、希望退職も募っている。観光施設でも東京ディズニーランド(TDL)や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が配置転換と従業員の削減を計画している状態である。観光業界を襲ったコロナ禍は、観光地の観光施設、宿泊施設、飲食業、旅行業者にも多大な影響を与えている。

 菅首相も今緊急の課題は、新型コロナウィルス対策だとはっきり発言しているが、こればかりは全国民的な問題である。真剣に取り組んでもらいたいと思う。

2020年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com