4870.2020年9月11日(金) ニューヨーク同時多発テロから19年

 2001年の今日だった。義母の葬儀のため桐ケ谷斎場の控室で親戚とともに待機していた時、突然テレビ画面にショッキングな映像が表れた。ジェット旅客機がマンハッタンのビルへ突っ込んでいくそれまでに見たこともない凄まじいシーンだった。一瞬目を瞠った。これはただ事ではないと思っていたが、事実ただ事ではなかった。このテロは日本人24人を含む2,977人の犠牲者を産む大惨事となった。この9.11ニューヨーク同時多発テロ事件発生に対して怒りを露わにした当時のブッシュ大統領は、直ちに復讐を誓い、国際テロ組織アルカィダの仕業と睨み、そのイスラム派過激派組織「タリバン」の巣窟であるアフガニスタンを攻撃し、以降イスラム過激派との間で「タリバン」首謀者ウサマ・ビン・ラディンが暗殺されるまで抗争が繰り返された。

 実は、その前年3月タリバンの潜伏地帯に近いアフガニスタンとパキスタンの国境カイバル峠を訪れ、パキスタンの国境に近い集落ランディ・コタールでこの9.11テロ事件を何となく予期させるような村民の行動にある種の胸騒ぎを覚えた。テロの予知と言えるものだった。他にもテロ発生の裏付けとなるような事実があった。詳しくは近々出版される拙著に書いた。

 その年の5月に次男とともにアトランタとニューヨークへ大リーグ野球の観戦に出かけ、その折ニューヨーク市内でテロの標的となった世界貿易センタービルへ初めて足を踏み入れた。その時は、まさかこのビルがテロの標的になるとは夢想だにしないことだった。これもひとつの縁であろうか。しかし、今日ひとつ気になったことがある。今日の朝日夕刊では一面を全部使って大々的に伝えていたが、これだけの大惨事にも拘わらず、どういうわけかテレビでは残念ながらどこもこの大事件を伝えなかったように思う。テレビ局にとっても飛びつきたくなる情報の筈が、どうして放映されなかったのだろうか。不思議でならない。

 それにしてもあのテロから早くも19年の月日が経った。この間世界は核開発競争と軍拡競争が過激化し、幅広く戦争が繰り返されている。それは武器を使用しない面でも徐々にエスカレートして、宗教間、人種間にも露骨な差別が蔓延して対立を煽っている。中でも米中経済大国間の貿易問題、パレスチナ問題に起因するユダヤ人とアラブ人の争い、イスラム教シーア派とスンニ派の抗争、異人種間の差別、等々世界には多くの争いが絶えることがない。とりわけ近年は、アメリカ国内で黒人差別問題が益々激化してしばしば大量殺人事件にまで発展している有様である。

 あれからアメリカは訪れてはいるが、ニューヨークへは出かけていない。今流行っている新型コロナウィルスのニューヨーク市内の様子をテレビ画像で観る度に、改めて出かけてみようとは思いながら、現実には今入国出来ない状況になっている。大きなテロ事件こそ起きていないが、抱え込まれた爆弾がいつ破裂しないとも限らない。テロで不遇にも亡くなった人々の霊を慰めるためにも、アメリカ政府を始め各国政府は、決して争いを避ける努力を止めてはならないと思う。

2020年9月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com