4866.2020年9月7日(火) 国が民間企業に巨額の債務保証をしても良いのか?

 昨日から今朝にかけて九州一帯を暴風圏に巻き込んだ大型台風10号は、北上して朝鮮半島へ去っていった。韓国、北朝鮮でもかなりの被害が出るのではないかと気になる。この台風は、度々の警戒警報により事前に避難した人たちが多かったせいか、幸いそれほど人的被害はなかった。しかし、雨と風が厳しく今日も広範囲の地域に影響を及ぼし、各地に大雨警報が出されている。

 さて、数々の汚職疑惑を持たれたまま金融商品取引法違反と特別背任罪で起訴、収監されていた日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が、昨年12月保釈期間中に日本から逃亡し、ベイルートで悠々生活しているような不祥事を犯した日産自動車の今年度の業績は、6,700億円の純損失と2年連続の赤字の見通しである。その日産が驚いたことに日本政策投資銀行から、実に1,800億円の融資を引き出し、その内1,300億円に政府保証がついているということである。つまり、1民間企業の経営不振に対して政府機関を通じて貸付けて、最悪のケースで企業が倒産した場合、税金が注ぎ込まれるという危ない手を打ったのである。日産は日本経済をリードする大企業として政府としては倒産するのを見ておれないということだろうが、その貸付金の出どころは国民の懐である。債権者である国民の声を聞かずに、また国民に何の説明もなく多額の資金貸付の保証を与えるのは、あまりにも無責任ではないだろうか。

 過去においてリーマンショック直後に日本航空へ470億円の保証付き融資を行ったが、その後日航が倒産して国民にツケが回ったことがあった。日産の例が今後悪い先例とならなければ好いが、このところ長らく財務省のトップが、財務にあまり精通しておらず、漫画本ばかり読みふけって威張りちらしている麻生太郎大臣では、これから先も心配でならない。

 今朝の新聞訃報欄を見て、アッと驚いた。あの方がとうとうお亡くなりになってしまった。上智大学名誉教授のドイツ人アルフォンス・デーケンさんである。死とどう向き合うかなど「死生学」がご専門のようであるが、長らくカトリック・イエズス会司祭を務めておられた。デーケンさんとは日本ペンクラブのパーティで出会って以来、いつも「やぁ!コンドーさん!お元気ですか?」と気さくにお声をかけて下さり、楽しくお話しをした。3~4年前ぐらいからお姿が見えず、またこの3年間は年賀状もいただけず、どうされているか、気になっていた。享年88歳だった。またひとり存じ上げている方が亡くなり、世の習いとは言え一抹の寂しさを感じている。心よりご冥福をお祈りしたい。

2020年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com