4865.2020年9月6日(日) 童心に帰って「ガリバー旅行記」を楽しむ。

 6月から毎週金曜の朝日夕刊全1頁に「ガリバー旅行記」が連載されている。小学生のころに児童書で読んだので、あらすじは承知しているが、これまで原書の翻訳文を読んだことはない。その意味では柴田元幸翻訳で世界的なベストセラーを改めて読むことになった。幸い知らなかったことを改めて知ることにもなりストーリーも結構面白いと思っている。

 作者のジョナサン・スウィフトは17~18世紀のアイルランド出身の作家であるが、政治的な活動に関わっていたこともあり、文中に当時の皇帝や政治家に対する刺激的な表現が現れることがあると言われている。私自身子どものころの記憶でもあるので、やはりストーリーの細部についてはほとんど知らなかったと言っても好い。恥ずかしながら船が難波して漂着した小人の国が、「リリパット」という国名であることさえ知らなかった。そういう意味では、新しい外国文学作品を読んでいるのと同じである。

 一昨日の文章で火事に遭った宮殿の消火に駆け付け、前日呑み過ぎたワインのせいでもよおした小便をかけて幸いにも消火することが出来たが、皇后から敬遠されるに至った話がある。あの時代にしても品の良い話ではなかったので、19世紀になって現場にある筈がない大きな桶で水をかけて消火したことにされたという。更に女性は字をまっすぐに書けないとやや女性蔑視の表現や、死者は頭から真っすぐ下にして埋葬すれば、ほぼ30年後には死者は蘇り、その時地上はひっくり返っているので頭から地上に出て来られると信じられていたというようなユニークなエピソードが目白押しで、今日でもそれなりに興味をそそる話である。

 スウィフトが生まれたアイルランドは、イングランドとは言語的、宗教的にも一線を画している。スウィフトには、他のアイルランド人同様に大英帝国王を戴くイングランドや王室への複雑な気持ちがあったのかも知れない。

 1992年旧文部省教員海外研修団でアイルランドの首都ダブリンの郊外ダン・レアラで学校など教育施設を訪れた時、現地の教育関係者から、イギリスと異なる点や、スウィフトについても随分話を聞かされた。

 ともかくこの「ガリバー旅行記」は、私自身これまで知らなかったことを改めて教えてもらっていると思っている。まだ序章でもあり、この後ストーリーは原書に沿ってどんな波瀾万丈の展開を見せてくれるのか大いに楽しみである。

 さて、ここ数日南方洋上で発生して九州方面へ北上している近年稀なほど大型の台風10号が、沖縄、奄美諸島を通過して今夜8時には九州全県が暴風圏内に入った。テレビ各局は朝から現地情報を交えて台風警戒報道で持ち切りである。JR九州新幹線が今日午后から明日終日運休、またJR山陽新幹線も明日は広島~福岡間で運休し、航空便も多くが欠航を決めている。そのせいで14日実施予定の自民党新総裁選挙はおろか、立憲民主党と国民民主党が合流して結党し、10日に予定している新党の代表選挙もすっかり影が薄くなっている。

2020年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com