4830.2020年8月2日(日) 李登輝元総統の葬儀に出席する人物は?

 先月30日に亡くなられた台湾の李登輝元総統の葬儀に、国交がないことを理由に安倍首相ら政府首脳は出席しないという話が漏れ伝わってくる。恐らく台湾政府は国葬を以て元総統の貢献と功績に報いることだろう。しかし、日本からそれなりのポストの人物が出席しないと、国交がない中で順調な日台関係を維持している現在、その礎として尽力された李元総統に礼を欠くのではないかと気になっていた。政界の空気をいち早く察したのか、幸い森喜朗元首相が名代として出かけることを考えているとの情報がそれとなく耳に入ってきた。首相在職時「日本は神の国である」との発言で一部に顰蹙は買ったが、森さんはあらゆる面で気配りの出来る方である。昨年ラグビー・ワールドカップが成功裏に開催出来たのも、元日本ラグビーフットボール協会会長だった森さんの力が大きかった。

 中国を意識して安倍首相は葬儀に出席することは難しいだろうが、中国との多少の軋轢があっても日台関係、特に李元総統の過去の日本への配慮を考えれば、それなりのポジションの閣僚を派遣するべきではないかと思う。幸い森さんが前向きな姿勢を見せていることから政府要人がダメなら、森さんに日本国民を代表して出席していただきたいと思う。

 実は、森元首相には首相在任中に、中国政府の反発を意識した外務省の反対を押し切って、当時の李登輝総統に日本滞在のためのビザを発給した事実があるという。

 2014年に森さんを主人公のひとりとして描いたドキュメント「南太平洋の剛腕投手」を上梓した時、何度も森さんにお会いして直接お話を伺い、とても率直で誠実なお人柄だと感銘を受けた記憶がある。

 ここは日本政府現政権の要人の派遣が難しいなら、過去のいきさつからしてもぜひ森喜朗元首相にひと肌脱いでいただきたいと願っている。

 さて、大相撲7月場所が今日千秋楽を迎えた。今場所は2横綱、1大関が途中休場して新型コロナウィルス下で行われた場所としては少々寂しい場所となった。だが、明るい話題があった。何と優勝したのは意外にも負傷して大関の地位から一度は序二段48枚目まで落ちて今場所幕内へ復帰したばかりの元大関・照ノ富士だった。実に、5年30場所ぶりの快挙である。元大関が優勝したのは、昭和51年の前頭だった魁傑以来である。

 元々照ノ富士は体力も実力もあり、とんとん拍子に出世して大関昇進後すぐ優勝し、横綱昇進は確実と見られていた。それが、ケガと糖尿病の悪化が原因でどん底まで落ちて本人も土俵から去ることを考えたそうだが、伊勢ケ浜親方の納得のいくまでやったのかとの説得により、考え直したという。土俵上の表彰式で、優勝旗を審判部長の師匠から授与されて感慨無量だったのではないだろうか。簡単に物事を諦める気風のある現代社会で、復活照ノ富士の優勝は良い教訓になったように思う。まだ28歳の若さである。これから横綱を目指し努力して、コロナで憂鬱になっている世間へ夢と力を与えて欲しいものである。とにかく照ノ富士の今後の活躍に期待している。

2020年8月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com