4831.2020年8月3日(月) コロナ災難期に働かない国会議員

 今流行している新型コロナウィルスの暗い空気の中で、各都道府県知事や医学の専門家が毎日忙しく動いているのが、テレビを通じて伝えられている。医療従事者の献身的な仕事ぶりも伝わってくる。連日全国で千人を超える新たな感染者が出ることによって、医療崩壊の危機であるとも言われている。

 その中で最近殊更評判が良くないのは、安倍首相である。すべて担当の西村経済再生相や加藤厚労相に任せて、国民に政府がやろうとしていることを説明しようとの気持ちが見えない。総理大臣としての責務を放棄しているように思えて仕方がない。それどころか、国会が閉会となり、少なくとも記者会見で直接国民に語り掛けるべきであるが、なぜか記者会見にも消極的なのである。野党から臨時国会開会の要求が出ているが、これにも後ろ向きである。これだからやる気がないとか、自信がないからだとか言われてしまう。今日発売の「週刊ポスト」では、特集に「今こそ落選運動2020を始めよう」と取り上げられ、副題には「安倍首相を引きずりおろす『国民の最終手段』がこれだ!」とまで書かれてしまう始末である。

 親分が動かなければ子分も動かない。最近の国会議員は国会閉会を好いことに、国会議員として国民のために尽くすべき責任を忘れている。コロナ緊急事態下にあってその存在感は益々低下する一方である。

 今から半世紀前韓国人詩人・金芝河が「五賊筆禍事件」という言論上の問題を起こして反共法に問われて収監された。金芝河は、五賊とはソウルのど真ん中に住む「五人の盗人」と言い、5つの職業をやり玉に挙げた。それは「財閥」「国会議員」「高級官僚」「将軍」「長・次官」の5つである。国会議員は韓国でも悪の権化のように見られているが、日本でも同じようなものだ。

 コロナの時代だからこそ、政治家は自らの裁量と行動力で何とか国民に物心両面で力を与えるべきであるが、高給をもらいながら、彼らはそれらしい行動を起こそうともしない。アイディアもなく行動も起こせないなら、せめて得ている報酬の何割かを医療関係の費用に供出してはどうか。

 現在国会議員は毎月の給与130万円の他に、年2回の期末手当635万円、文書通信費などの活動費1200万円を受け取っている。1人当たり3,400万円になる。国別国会議員年収ランキングでは日本はアメリカを追い越して世界1位である。しかも国会議員の数が人口の多いアメリカより遥かに多く、果たして現状の議員数が適切なのか極めて疑問である。

 濡れ手に粟であるが故に、一切働かず、高給を得られる国会議員になりたい希望者が後から後から殺到する。コロナ影響下で気持ちは晴れない時に、つい腹が立って仕方がない。

2020年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com