4820.2020年7月23日(木) コロナ第2波襲来と箱根登山鉄道復旧

 新型コロナウィルスさえなければ、今日は2020東京オリンピック開会式が開かれる予定だった。今日は祭日「海の日」でもある。生憎の雨交じりではあったが、今夏はコロナの影響で全国の公営海水浴場の約4割が、閉鎖か中止で閉められている。今日から4連休に入り、「GO TO TRAVEL」の初日ということもあり観光客の動きが広く注目されていた。案の定東名高速道路は東京を出る下り線が渋滞するほどの混みようだった。やはり皆家の中に閉じこもっていられないのだろう。皮肉と言うべきだろうか、今日は東京都366人、愛知97人、埼玉64人で過去最多の感染者が判ったこともあり、昨日に続いてこれも1日としては最多の全国で932人の感染者が出た。いよいよコロナ第2波の到来だろうか。他にも沖縄ではアメリカ軍基地内でも多数発症し、基地内の感染者が沖縄県の日本人を上回る感染ぶりである。

 日本中に新型コロナウィルスが大きな打撃を与えているが、世界で最もその影響を被っているアメリカからはコロナ以外にもこんなニュースが伝えられてきた。コロナ被害が拡大している最中に乱暴者のトランプ大統領が、人種差別抗議のデモ隊に対して連邦職員に武装させてデモ参加者を拘束したり、暴力的に取り締まったりしていることに対して憲法違反とか、権力乱用との批判が高まっている。最初はオレゴン州ポートランド市内で超法規的な行為が行われたのだが、トランプ大統領は一向に反省するこもなく、他の都市でも同じようにデモ隊鎮圧に連邦職員を派遣する強硬な考えのようである。

 そこへまた新たな深刻な問題が噴き出した。アメリカ連邦議会下院では10年ごとの国勢調査を元に各州に議員定数が割り当てられるが、これは国籍や選挙権の有無に関わらず外国人を含むすべての居住人口を基準にしている。ところが、トランプ大統領はこれを割り振る際に、正規の在留資格のない非正規移民の人口を除くよう強硬に命じたというのである。白人からの支持が多い共和党に有利になる可能性があると考えているが、これは白人以外を信頼していないトランプ氏の人種差別感が露骨に表れた結果で、最早自身人種差別者であることをはっきり示したようなものである。先日黒人デモに対して連邦軍の出動も辞さないと語っていたが、これはさすがに厳しい世論の反対を受けて行われなかった。大統領の本心が人種差別だということを如実に表している。

 さて、昨年10月台風により線路が流されて以来運行を停止していた箱根登山鉄道が、今日9か月ぶりに全線回復した。沿線では多くの地元民が登山電車の通り過ぎるのを旗や幟を振って歓迎していたが、彼らが観光客以上に登山電車の復帰を喜んでいる様子が報道されていた。登山鉄道と言えば、こんな格別印象深い思い出がある。1979年箱根登山鉄道とスイスのレーティッシュ鉄道の間で姉妹鉄道提携の宣言書が交わされた。今ではレーティッシュ鉄道は世界遺産として登録されている。提携式典の後に、同鉄道に乗車する提携記念の旅行が計画され、私が同行することになり、イタリアのティラノからスイスのクールまでグループを案内したことがある。素晴らしいスイスの山中をゆっくり走りながら途中オープン・ループ線や、ラントヴァッサー橋を通ったことが懐かしい。

 レーティッシュ鉄道ほどではないが、箱根登山鉄道も箱根湯本から終点強羅駅までの道中で乗客を飽きさせることはない。今はコロナで自粛しているが、いずれ終息した暁には、登山鉄道を楽しみに乗る観光客が増えることだろう。やれやれという気持ちとホッとした気持ちが交錯する。

2020年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com