韓国の仁川で開催されていたアジア大会が昨日閉会となった。今度の大会は観客が意外に少なく、種目によっては会場に閑古鳥が鳴いていた。この他にもマイナスの話題が多く、バスケットボールでパキスタンの女子選手がへジャブを身に付けて失格になったり、日本の水泳選手が韓国カメラマンのカメラを盗んで国外追放になったり、バドミントン会場では韓国選手に有利な風が吹いたり、およそスポーツ精神とは相容れない事件が目立った。中国の孫楊、韓国の朴泰桓ら水泳のオリンピック・ゴールドメダリストが200m自由形で揃って日本のMVP選手・萩野公介選手に敗れた腹いせからか、孫選手が日本の国歌は聞き苦しいと発言したり、どうもエチケット面でも褒められたものではなかった。
観客の入りがあまり良くなかった原因はいろいろあるだろうが、韓国の平昌では4年後に23回冬季オリンピックが開催される。やはり不入りの原因をきちんと調べて対策を練らないとまた閑古鳥が鳴くことは充分考えられる。
それでも大きなトラブルの発生もなく、韓国の人々の韓流おもてなしが評価される中で終えられたのは良かった。
さて、昨日の本ブログで元朝日の阿部和義さんが私について新聞に書いてくれたことに触れた。その中で小中陽太郎氏が旬刊誌「出版ニュース」に拙著の書評を書いていただいたことに触れていたので、阿部さんが書いた記事を小中さんにメールで送ったところ、小中さんから早速次のような返事をいただいた。
「さすが新聞記者、短い中に貴著の中身を要領よくまとめているね。脱帽。皮肉も入れて。ぼくの書評は、○○日岩橋邦枝の偲ぶ会で林真理子に会って話した。自分で探して読むってさ。君のも一緒に読むでしょう。市川森一のいとこで元読売旅行、フリートラベル企画の井上ただ氏、(ペンネーム)池上真也君がこんな原稿送ってきた。どう思いますか?ぼくの感想つけておくね。貴著のことは電話で話してあるから、おくってあげてくれない?住所はペンの住所録池上真也にある。同志社卒だけあってやさしいいい人だよ。あなたの強引さと足して2で割ると二人ともちょうどいいけれど、東の近藤、西の池上、旅行業界出身の文筆家だ!」と。
これには少し説明が必要だ。林真理子の名前を挙げたのは、彼女が現在朝日朝刊に連載小説「マイストーリー」を執筆していて、その小説と拙著を抱き合せた書評を書いたことから林真理子の名前が出たものだ。また、池上信也氏にお会いしたことはないが、小中さんからFAXで送っていただいた氏の「こんな原稿」を読むと私も現役時代に考えさせられた旅行業界の問題が書かれていて、池上氏も旅行業者として悩んでおられたことが察せられる。ただ、小中さんが言いたいのは、旅行のプロが同じプロが作るツアーのからくりが分からないと嘆いているのは止めて、嘘でも良いからさりげなくプロの味を入れなさいと至極ご尤もなアドバイスである。
それにしても小中さんも阿部さんと同様に私が何でも自分から行動を起こすという積極性を好意的に評価して下さっているが、東の私と西の池上氏が旅行業界出身の文筆家とまで持ち上げてくれているのは、些か面映ゆいほどである。ただ、私の強引さと池上氏のやさしさを足して2で割るといいと言われているのは、「私の強引さ」という捉え方にやや不満を覚えないわけではない。私の流儀は、自分でできることを他人に任せることは却って相手に精神的な負担や迷惑をかけるから自分でやり、自分がやった方がむしろ早くできると勝手に思い、自分で片付けてしまう。そんなに強引ではないと思っているのだが、他人から見るとそんなやり方がちょっとやり過ぎということになるのかなぁ。
それにしても、阿部さんにしても、小中さんにしても随分好意的な先達である。感謝。