今夕電撃的に嬉しいニュースが入ってきた。今年のノーベル物理学賞に3人の日本人科学者が選ばれたとスェーデン王立科学アカデミーが発表したのである。発光ダイオードの発明に貢献した名城大学教授・赤崎勇氏、名古屋大学教授・天野浩氏、そして青色ダイオードのLEDの発明と普及で知られるカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授・中村修二氏である。これで日本人ノーベル賞受賞者は22人になった。
普通発明や発見によるノーベル賞受賞の功績というものが、一般には理解しにくいがこの受賞は青い色の発光と普及による使用電気量の低減によるコストダウンで、我々もその恩恵に与かっているということが言える。
さて、その一方で最近「イスラム国」へ戦闘員として入国を計画していたと警察から事情聴取を受けた愚かな北大生の、世間知らずで無目的、かつ無意味な行動を起こそうとした人騒がせな個人的事象が明らかにされた。1~2年内に死にたいと言っていて、真摯にイスラム教を学んでいるわけでもなく軽薄にも戦場であるシリアに行こうとしただけだ。一体この大学生は何を考えているのか。家族や友人、これまで世話になった人たちに対してどういう気持ちでいるのか。バカバカしくて、あまりの無節操さに呆れるばかりである。これが国立大学の学生なのかと一部ではあるが、今時の大学生の劣化ぶりには言葉もない。
ところで、今日の日経紙によると日本政府はブラジルと共同で中米諸国へ日本式交番の導入を支援するという。中米諸国の治安改善を目指すというが、果たしてどんなものになるのだろう。すでにブラジルには導入が進んでいるというが、日本式発想の善意に根差した交番方式がどれだけその異質な土地に根付くか、少々疑問を感じる。
ブラジルではサンパウロ州が2000年に交番を導入してから、それ以前に比べて人口当たりの殺人件数が約5分の1に減少したという。それなりの効果があったということなのだろう。その他にもシンガポールやインドネシアでも日本式交番は採用されているという。
かつて私自身東南アジアやブラジルに度々訪れた頃には、日本式交番なんてものはまったくなかった。思い返すと、2000年にパキスタンが誇る世界遺産・モヘンジョダロを訪れた時、村はずれに1ヵ所ぽつんと交番が在った。だが、そこにはお巡りさんもおらず、空家と化していた。当時のブット大統領が来日した際に、日本政府が制度として薦めいくつか寄贈したものだそうだ。だが、私が訪れた時その村では交番はすでに御用済みとなって、小さな廃屋となっていた。援助の一環だったのかも知れないが、あまりにも無駄な支援ではなかったか。やはりこういう住民が利用するものは、ある程度現地の実情に合ったものでないと無用の長物になりかねない。
今回政府が将来の中米諸国を大きな経済市場と睨んで、そのために治安をもっと良くすることが必要と考え支援を考えたようだが、本心ではラテン系の国々に日本式交番を設けることにそれほどの確信はないのではないだろうか。