4787.2020年6月20日(土) 産経が不正データ入力で世論調査を操作

 一昨日河井克行・前法相と妻の案里・参議院議員が公職選挙法違反容疑で逮捕されたが、その後検察当局の調べで現金配布先の名前や金額が削除されていたことが判明し、証拠隠匿を図ったのではないかと疑われている。法律を制定し、監視すべき法務大臣が、法を犯し、証拠を隠蔽しようというのだから何をかいわんやである。ごく最近の黒川弘務・前東京高検検事長の違法な賭け麻雀事件ともども昨今の法務省は救いようがない。

 そんな折も折、報道の自由と公平性を謳っている筈の大手メディアのフジテレビと産経新聞が、世論調査の際、データの不正入力を行ったと分かった。不正データ入力は、昨年5月から今年5月までの1年間の世論調査で14回も行われた。これでは世論調査をどう信じたら良いのか分からない。とかく両社は政府寄りの保守と言われているが、この不正により安倍政権の支持率がかなり底上げされていたのではないかと臆測されてもやむを得まい。

 それにしてもフジTVも産経も随分軽薄なことをやったものだと思う。この世論調査に当たっては、両社はこの世論調査を外部へ委託した。ところが、委託された会社はそれをまた外部委託して、その孫委託会社が架空回答という手抜き作業を行ったことに何のチェックもしなかったという。

 下請け会社を利用する手口については、ごく最近顰蹙を買う派手な事例があった。経済産業省の民間委託事業をめぐる問題で、それは未だにすっきりしていない。持続化給付金の事業を受託している「サービスデザイン推進協議会」が、業務を電通に委託し、それを電通が子会社に下請け委託したという税金がからむ不祥事が表沙汰になったばかりである。この件では、電通が多額の上前を撥ねたと批判されていた。

 とにかくデータの不正入力による世論操作なんて許せることではない。これでは世論調査なんか信用出来ない。ネットには、こんな声も上がっている。

「フジサンケイの統計なんてどうせ誰も信じちゃいないから、みんな許してくれんじゃないですか?産経のご主人様も統計とかデータとか公文書とかを蔑ろにしてもいいという姿勢を前面に押し出して歩調を合わしたって事でしょうかね」と皮肉一杯である。

 脳科学者の茂木健一郎氏は、「他の真正なデータの傾向を外挿していたのか、それともフジサンケイ『らしい』数字になるようにしていたのか。困った話ですね」と日頃の産経グループの右翼的な言動を揶揄するような本音が見える。自民党に忖度しがちの産経グループには深く反省してもらいたいものである。

2020年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com