2714.2014年10月18日(土) 5人の女性閣僚の無知と無節操に呆れる。

 地方創生とともに女性の活躍を看板にしていた第2次安倍改造内閣の大きな目玉だった、5人の女性閣僚の行動が批判を浴びている。その中でも最も有力閣僚と見られていた小渕優子・経済産業大臣の立場が大分危うくなってきた。言わずと知れた、政治団体の不透明な収支を巡る問題で責任を追及されるようになってしまったからだ。かつて一時期連発した政治家の「政治とカネ」問題の再発である。

 問題は簡単だ。地元選挙区の支持者を対象に観劇会を行い、参加者から受け取った金額より劇場へ支払った金額の方が多く、その差額を小渕事務所が負担したのではないかという公職選挙法違反の疑いと、過去に観劇会参加者から受け取った代金を収支報告書に記載していなかったという政治資金規正法違反の疑いである。更に政治資金で贈答品を購入し事務所経費として計上する感覚は国民感情からして常軌を逸していると批判されている。しかもその金額が並はずれて大きいのだ。

 それにも況して首を傾げざるを得ないのは、野党からの追及に対する小渕氏の答弁である。「私自身は分からない」とか、「確認したい」というばかりで、自分は与かり知らぬ、秘書がやったことだと言わんばかりである。安倍内閣の最年少閣僚として将来が大いに期待されていたのに残念なことである。

 小渕氏がこの体たらくなら、もう一人の女性大臣である松島みどり・法務相の「うちわ配布」も大きな問題となりつつある。地元選挙区で支援者に討議内容を書きこんだ「うちわ」を配っていたが、それが公職選挙法に該当するのではないかと民主党に告発された。

 加えて残る3人の女性閣僚の行動が波紋を投げかけている。ひとりは高市早苗・総務相であり、あと2人は山谷えり子・拉致問題担当相と有村治子・女性活躍・行政改革・消費者担当相である。3人は今日秋の例大祭に合わせて靖国神社に参拝した。閣僚が靖国参拝の都度中国と韓国から厳しく非難されるのを承知の上で、敢えてことを荒立てようとするのは、幼児じみているし両国との関係改善に水を差すものだ。特に高市氏の場合は確信犯的で、昨日の朝日社説でも行動を慎むよう求められていた。2人の閣僚の参拝は、外務省筋が水面下で何とか来月のAPECで日中首脳会談をお膳立てしようとしている矢先に、これをぶち壊そうとするものである。いつもながら個人行動で目立ちたがり屋のパフォーマンスを演出する高市氏の行動は、志はともかく破壊的蛮行である。

 高市氏の突出した行動は、以前はさほど目立たなかった。戦没者に対して尊崇の念を表したと得意気に記者団に語ったが、ある程度注目される存在になってからこの種の行動に積極的に出るようになった。口では戦没者に誠を捧げるのは大いに結構だが、祀られたA級戦犯に対しても誠を捧げたと信じているのだろうか。それなら大半の日本人の感情にはそぐわないと思う。戦没者を慰める真摯な気持ちが心の底から顕れているとはとても思えない。敢えて言わせてもらえば、所詮目立ちたがり屋の特異なパフォーマンスというだけのことである。

 それにしても過去最大の5人もの女性閣僚を配した安倍内閣だが、その彼女らが揃いも揃って問題視される行動を起こすとは予想もできないことだった。それぞれの問題を同列に論じるわけにはいかないが、任命権者である安倍晋三首相の責任も問われるべきである。更に国民の素直な気持ちからすれば、女性閣僚たちはもう少し国民と接し、歴史を学び、世間を知り、国民目線で常識的に自重した行動を取って欲しいものだと願わずにはいられない。

 これでは女性の活躍をサポートするという安倍内閣のメッキも剥げ、折角のキャッチフレーズが看板倒れになる。

2014年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com