小渕優子・経産相辞任の可能性が強まった。野党のみならず自民党内にも辞任やむ無しの声が高まるばかりでなく、群馬県内の市民団体が公職選挙法違反と政治規正法違反で小渕氏を告発する意向を述べたことも効いていると思う。
今朝のテレビ番組で寺島実郎氏が、議員数が多過ぎることが原因で議員の質が低下していると指摘していた。寺島氏に依れば国会議員がアメリカに比べて人口比で3倍も多いという。議員になるための過程で多くのことを学び、多くの人々と切磋琢磨して皮膚感覚で時代の流れを掴み、国民の考えや希望を肌で感じ取る気持ちがなければ、結局は冠だけの「天ぷら議員」になるに過ぎないと思っている。そのひとつの典型は「世襲議員」ではないだろうか。小渕大臣も世襲議員である。一時自民党は世襲議員制度を止めると約束したが、世襲議員ばかりが党内の要職を占めるに至ってあっさり撤回した。自分のことしか考えないのが、議員になっているのだから政治が向上する筈がない。
彼らには、つまるところ自助努力して世間の荒波に正面から立ち向かう気概がないのだ。そして親から受け継げる「議員」という甘い指定席を座して待っているのだ。現在の自民党の権力者の顔ぶれを見れば分かることだが、ほとんどの有力議員が二世議員ではないか。自分たちの力で刻苦奮励して一歩一歩登りつめて議員になった人がどれだけいるか。
現状では議員の定数是正を行ったうえで、第一段階として議員数を半減することが必要である。そうでもしなければ、相変わらず程度の低い政治家が幅を利かせて日本を支配することになる。小渕大臣の躓きは、少なくとも我々に政治家の低レベルぶりを明確に教え、彼らが国を劣化させることを気づかせてくれた。これを一つの教訓として、我々国民も政治と政治家を監視していかなければいけないとつくづく思う。