やはりと言うべきだろう。小渕優子・経産相が辞任した。それだけに留まらず、松島みどり・総務相も辞任して第2次安倍内閣となって以来最初の閣僚辞任となった。しかも1日に2人も内閣から去るという珍事である。小渕氏は自分のやったことが国民には理解されないと素直に非を認めたが、理解に苦しむのは、永年に亘り父親の小渕恵三元首相の秘書を務めた折田謙一郎・中之条町長が町長職を辞したことである。その理由は小渕氏の政治資金報告書を作成した責任を取り「私の不徳の致すところ」と述べたのである。もとより人格は別だと思うが、何でもかんでも一緒くたに義理と人情で解決しようとする、これも地方都市にありがちな、言葉では言い尽くせない人間的な繋がりの秘儀なのだろう。
小渕氏は辞任するに至った政治資金問題について、政治家としてきちんと説明責任を果たしていきたいと語ったが、それは当然のことであり、自らの至らなさを反省していたから善しとして、松島氏の場合は「うちわ」を配布し、公職選挙法違反として東京地検に告発されたことを本人があまり反省していないように見えたことは少々問題だと思う。これでは辞任したからといって問題解決ということにはならない。
まだ始まったばかりの臨時国会開会中のことでもあり、これから政局はどういう方向へ行くのか、注視せざるを得ない。
どうも政治家たちが考えることは未だよく分からない。