4661.2020年2月15日(土) 益々拡大する新型コロナウィルス被害

 新型コロナウィルスの影響は、益々拡大している。これまで感染者がひとりもいなかった中国から遠く離れたアフリカ、そのエジプトからひとり感染者が現れた。残る非感染地区は、中国から同じく遠隔の中東と中南米である。中国本土の死者は、昨日からたった1日で143人も増え、今日で1,523人となった。

 事態が深刻化する中で世界保健機構(WHO)は、まもなく中国での調査を始める。やや遅きに失した感がある。中国政府にしても初動対策と行動が遅れたことが指摘され、それが事態を拡大させた大きな原因であるとされている。日本国内でも新たに沖縄と北海道で感染者が見つかった。

 横浜港に停泊中の「ダイヤモンド・プリンセス」号では、80歳代の高齢者を対象に下船の手続きを取り、下船した乗客は政府施設に搬送された。船内には外国人を含む大勢の乗客が残されているが、WHOが下船を検討すべきであると述べたことに合わせるように、アメリカが380人のアメリカ人客を帰国させるために、チャーター機を2機羽田へ飛ばすことを日本政府と調整しているとウォールストリート・ジャーナル紙が伝えている。東京オリンピック開催の不安については否定的な声が強いが、仮にこのまま感染が終息しない場合には、最悪の事態も考えなければならないと思う。

 シカゴ大学のDali L.Yang教授は、この感染拡大が1986年のチェルノブイリ原発事故のような惨状を招くだろうと警告を発している。同時に、中国の対応の誤りの責任は国家システムにあり、指導者として個人的に大きな権限を揮ってきた習近平・国家主席の責任は特に重いと習主席を名指しで非難している。

 それにしても身近にこの騒ぎが迫って初めて深刻に慌てている姿がただ事ではない様相を帯びてきた。アメリカ本土でも今月6日時点で感染者数が12人となり、深刻にとらえられるようになったが、アメリカ人の目は大統領選予備選に向いている。もし、急激にアメリカ各地に感染者が広がったら大統領選挙どころではなくなるのではないだろうか。

2020年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com