4649.2020年2月3日(月) 新型コロナウィルスの影響甚大

 新型コロナウィルスの感染拡大による影響は底なし沼のようだ。中国における感染者は2万人に近づいてきた。死者も361人となった。日本国内でも感染者はすでに20人である。静岡県富士宮市では、市の初めての企画で来月高校生15人を中国・上海市及び紹興市へ派遣する準備を進めて、高校生も意欲満々だったようだが、計画を中止することになった。気の毒なことであるが、厳しい現況から考えればやむを得ないのかも知れない。

 中国では、延長された春節も昨日で幕を下ろして今日から新年を迎えたが、例年とは大違いのようで仕事に熱が入らないようだ。人の移動も思うようにならず、武漢市を出た市民も自宅へ戻れない状況が続いており、経済活動は下降したままのようだ。投資家はそれを汲んだのか、株式相場が振るわない。上海株式市場は大きな影響を受けて対先週末-7.7%だった。これは日経平均株価が、233円も下がって-1.01%である事情を考えると上海の相場は、約1,800円も値下がりした勘定になる。中国経済に与える影響も大なるものがあるようだ。

 そんな折、国内ではほんの1週間前に山形県で老舗のデパート「大沼」が突然破産宣告した。先月27日にテレビで唐突に報道され、慌てふためく店員の姿が何とも言えず哀れを誘った。191人の店員は破産の前日26日の終業後、全員呼び出されてその場で唐突に破産と翌日からの閉店を通告されたという。従業員は退職金もなく、次の就業先も決まらないまま、露頭に放り出されたのである。閉店した27日店舗のシャッターに張り出された「昨日限りで閉店」の張り紙を見た市民がびっくりした。

 投資ファンドから派遣された社長の従業員への通告には、謝罪とか、今後の生活への支援などは話されず、自分たちは精一杯やったが、破産しか選択肢はなかったなどと言い訳三昧に終始した。こんな無茶な破産、残酷な解雇の話は現実に聞いたことがない。ネットで調べてみると創業家の資産は確保されたという。創業が元禄13(1700)年で県内唯一の百貨店「大沼」は320年の歴史に幕を降ろすことになった。恐らく創業者も泉下で泣いているだろう。毎年赤字を出しながら積極的な営業対策を打てず、従業員の退職金の積み立てもせず、この破産劇は顧客や従業員もまったく知らぬ間に経営者の一存で決められた。経営が順調ではなかったようだが、取引銀行である山形銀行との協定も経営側にとっては、得心出来るものではなかったようだが、それにしてもあまりにも突然の無慈悲な破産通告だった。後顧の憂いを残すことになった。明日は立春だが、「大沼」の従業員には春はやって来ない。

2020年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com