4577.2019年11月23日(土) フランシスコ・ローマ教皇来日される。

 今日「勤労感謝の日」は、戦前なら新嘗祭と呼ばれた1日である。先日行われた天皇即位に因む大嘗祭は、天皇即位の年にのみ催される一世一代の新嘗祭に当たる儀式だった。しかし、今では学校でもこのような古式豊かな祝祭については教えていないので、戦前派の人を除いて新嘗祭はほとんど知らないだろう。

 今日11月23日は長い気象庁の歴史上雨が降らない日と言われている。それが今朝から雨が降り、冷え込んで朝から晩まで1日中寒い日だった。1922年に第1回ラグビー早慶戦が行われて以来、今日は96回目になる。試合日を決めるに際して過去の統計上新嘗祭の今日、最も雨が降る確率が低いということから、試合は今日11月23日に決められたというエピソードが残されている。幸いこれまで雨が降った日は1日もない。しかし、今日は雨の中で試合が行われ、17-10で早稲田が勝った。

 さて、今夕フランシスコ・ローマ法王がタイから羽田へ到着された。日本政府は今回の訪日を機に「法王」という呼び名を「教皇」と呼ぶことに決めた。教皇が訪日されるのは、ヨハネ・パウロ法王以来38年ぶりのことである。

 教皇は長崎の爆心地で幼児の亡骸を背中に背負い、歯を食いしばって火葬の順番を待つ少年の様子を捉えた「焼き場に立つ少年」の写真を世界中に伝えて、これが戦争の現実と言い続けて反戦、核反対を訴えておられる。

 今回の訪日で、教皇は被爆地広島市と長崎市を訪れるが、まず明日長崎市の爆心地公園から「核兵器に関するメッセージ」を発し、広島市の平和記念公園では「平和のための集い」も実施する。強行日程で離日される26日まで3泊4日のスケジュールの間、天皇陛下や安倍首相の他に東日本大震災の被害者に会われて、24日に長崎県営野球場で、25日には東京ドームで行われるミサにも出席された後バチカンへお帰りになる。

 個人的には今から約40年前クリスマスのころにバチカンを訪れて、偶々窓から姿を見せられたその当時の法王のお顔をサン・ピエトロ寺院広場から拝ませてもらったことがある。日本ではカトリック教徒が少ないこともあるが、13億人もキリスト教徒がいる外国では、教皇の影響力は強く、教皇は国連総会でもスピーチを行うほど世界的な人気と存在感が強い。

 安倍首相は教皇に会われるようだが、核に対する考え方はまったく違うので、どの辺りまで会談の実を上げることが出来るだろうか。基本的な点では、相いれないのではないだろうか。

2019年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com