4576.2019年11月22日(金) 韓国、GSOMIAの失効を回避

 明日午前0時を以て、韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄するとしていたが、急遽方針を転換し延長することを決めたと発表した。GSOMIAからの離脱は残り数時間にして食い止められた。韓国政府は世論も見定めながら慎重に検討していたが、土壇場で方針を変更したのには、GSOMIAを日米韓の安全保障協力の要と位置づけるアメリカの強い要請が大きかったと見られている。

 韓国としては日本政府が輸出規制強化措置を撤回することが、GSOMIAに留まる絶対条件であるとして日本にボールを投げていた。これに対して日本政府はこれこそ譲れないとして1歩も退かず、韓国政府が現状のままGSOMIAに残ることを求めていた。

 理由はどうあれ、当面日韓両国間の懸案のひとつが解除された。韓国は現在アメリカから在韓アメリカ駐留軍の経費負担の増額を求められていることも頭の痛い問題であり、特に韓国民はアメリカの要望に強く反対している。韓国にとっては一難去ってまた一難ではないだろうか。

 いま日本にとって大きな問題になりつつあるのは、日韓関係が悪化したことにより日本を訪れる韓国人観光客の数が、7月以降大幅に減少していることで2020年に目標としている「外国人観光客4千万人」達成が揺らぐ恐れも出てきた。この問題については、先日共著「新世代の観光立国」執筆者のひとりとして拙稿について講演をしたが、その中でインバウンドの成長について触れる一方、最近の韓国人訪日客の急減について数字を挙げて話した。対前年同月減少率は、8月▲48.0%、9月▲58.1%、10月▲65.5%で、全体の観光客数の24%を占める韓国人観光客がこれ以上減少すると目標数には達しそうもない。これまで韓国人観光客で潤っていた西日本地方や、地方空港では大きな打撃である。GSOMIA問題はひとまず棚上げされたが、これを機に観光交流の減少が食い止められ、再び以前のように両国の交流が蘇るよう期待したいと思う。

2019年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com