4578.2019年11月24日(日) ローマ教皇、長崎と広島で反核呼びかけ

 昨夕来日されたフランシスコ・ローマ教皇は今朝早々に長崎へ向かった。雨の中を長崎の爆心地でスピーチして「この場所は私たち人間がどれだけひどい苦痛と悲しみをもたらすかを深く認識させる」と述べて核兵器の非人道性を強く非難した。そして「核兵器や大量破壊兵器を持つことは平和や安定につながらず、妨げになる」と指摘して、核兵器を持つことが安全保障につながるという考えは、恐怖と相互不信に基づく誤った認識だとして批判した。更に核兵器禁止条約を含め核兵器と軍備の削減に向けて各国に引き続き働きかけていく考えを示した。

 核兵器から解放された平和な世界こそが、数え切れないすべての人が強く求めるものだと述べ、核兵器のない世界の実現に向けて核の保有国、非保有国を問わず各国政府をはじめ、すべての人が一致団結して取り組むよう呼びかけた。

 この教皇の言葉を安倍政権はどう受け止めるだろうか。アメリカに気を遣い過ぎているせいか、今以て核兵器禁止条約に背を向けて批准もしていない。教皇が気にされているように地球上で唯一原爆による被爆体験のある日本国民として積極的に核廃絶へ向けた運動の先頭に立つべきではないかと思う。

 教皇はこの後広島へ移動して平和祈念公園で再び核廃絶への呼びかけを行った。

 さて、昨日南太平洋・ブーゲンビル島自治州内でパプア・ニューギニアからの独立を求める住民投票が始まった。寡聞にして知らなかったが、もう20年以上も独立闘争が続いていたという。戦前の日本にとっては極めて馴染みの深い島で、旧日本海軍の航空基地もあった。あの連合艦隊司令長官・山本五十六元帥が搭乗していた戦闘機が狙撃され、名誉の戦死を遂げた島である。少しでも自治権を手に入れると次に目指すのは独立となるが、ブーゲンビルの場合は、かつての先進国からの独立ではなく、オーストラリアから独立したパプア・ニューギニアからの独立闘争である。独立闘争へ至った最大の原因は、パプア・ニューギニアが産出する銅の5割を産み出しながら、見返りが少なく貧しいまま待遇的に恵まれない点が大きいようだ。州都は北部のブカとなっているが、今から30年以上も前にシドニーからポート・モレスビー経由で到着した時は、最大空港のキエカだった。あの頃はのんびりしていたような気もするが、ただ道路や海岸にやたらに野良犬が随分徘徊していて危険だと感じたことがある。あの後、ガダルカナル島やニュープリテン島のラバウルなども訪れたが、それらの島々では今のところ独立の動きがないようだ。

 独立か、残留かの決着はまだ時間がかかりそうだが、独立後他の太平洋諸島同様に中国が食指を示しているので、中国の進出テクニックであるハードウエア面の構築に支援を受けて、ソフトウエアの部分で食い込まれるアプローチ方に十分警戒する必要がありそうだ。最近の香港のデモ騒ぎを見ていればよく分かる。

2019年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com