4575.2019年11月21日(木) 65歳、安倍首相とメルケル首相の違い

 昨日安倍首相が憲政史上最も長く首相の座に座り続けていることが、大きなニュースになった。しかし、外国では遥かに長くトップの座にいて国際的な実績を残したリーダーが何人もいる。かつての共産国のように、民主的な選挙を経ずして上り詰めたリーダーや、ロシアのプーチン大統領のように総選挙の結果選ばれたが、その座に留まり続けるために憲法を改正してまで私欲的に地位に連綿としているリーダーもいる。だが、彼らは例外に過ぎない。

 このほどカナダで行われた総選挙の結果首相に再選されたトルドー内閣は、前内閣に引き続き女性閣僚が18人選出され、男性閣僚と同数になった。ヨーロッパではフィンランド、スウェーデン、スペインなども女性閣僚が半数である。

 ついては、今日の朝日朝刊に豊永郁子・早大教授の興味深い政治評論が載っていた。共通する2人の女性政治家として、イギリスのマーガレット・サッチャー首相とドイツのアンゲラ・メルケル首相を異質な角度から紹介している。いずれも国の最初の女性宰相となった。サッチャー首相は「鉄の女」と言われて、イギリス近現代史上最長の11年余もその職に留まり、新自由主義的な政策を行い、それは「サッチャリズム」と呼ばれた。

  一方のメルケル首相は2005年首相に就いて以来すでに14年も首相に在任して健康上の理由から任期を終える2021年に引退する。気候変動問題への関心の強さや、原発全廃の決断、大量の難民の受け入れ、など環境・人権・EU重視政策などを次々と実践してきた。意外だったのは、2人ともに科学者であり理系最初の首相としても注視されていることである。サッチャーは大学で化学を専攻し、メルケルは博士号を有する物理学者であることだ。更に豊永教授は言う。2人に共通するのは、信仰心と勤勉さだと。

 その点では、わが安倍首相には、信仰心が欠け、勤勉さは更に欠け、論理的な説明が出来ないように理系のセンスはまったくない。ウソで説明をごまかし、権力を履き違えてイエスマンを傍に侍らせて公を私物化している。メルケル首相と同じ65歳であるのに、どうしてこうもやることが違うだろうか。

2019年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com