4562.2019年11月8日(金) 日墺国交150周年記念行事認定を取り消し

 共著「新世代の観光立国」のうち拙稿「旅のあゆみ」について、今日麹町の海事センタービルで話をした。残念なことにパワーポイント機器の具合が悪く、調整に2人、3人と入れ替わり立ち代わり具合を見てもらって遅ればせながらやっとスタート出来た状態である。以前から思っていたところだが、こういう最新の器具は、やたらにソフトや中身を変えたりグレードを上げて消費者に新製品を売りつけようとする傾向がある。従って操作機器がグレードアップする度に、一部の機能が使用出来なくなってしまう。今日講義の冒頭にメーカーの不親切にして、儲け主義の実態を改めて知った次第である。

 さて、心配していた香港デモで今日ひとりの大学生が死亡した。どういう状況で亡くなったのか、まだはっきりしないが、警察隊とデモ参加者の衝突現場付近で発見された。今後両者の激しい衝突が懸念される。

 そして、フランスのマクロン大統領が、イギリスのエコノミスト誌へのインタビューでNATO(北大西洋条約機構)は脳死状態だとの発言が物議を醸しだしている。統制が取れていないことを指摘したようだが、加盟国から反発を招いている。特に、アメリカについて中東への関与を減らし、アメリカと中国だけを見るようになったと批判し、同時にトランプ大統領に対してもヨーロッパと考えを共有しない初めてのアメリカ大統領だとも述べた。これに対してアメリカのポンペオ国務長官は、NATOは歴史的に最も戦略的に重要なパートナーだと反発し、ドイツのメルケル首相も過激な言葉は共有しないと批判した。NATOの実情は分からないが、トランプ大統領についてのコメントは分かる気がする。今後ヨーロッパ内で大きな問題にならなければ良いと気になっている。

 ついては、オーストリアで起きた日本の政治がからんだ対応について気がかりなことがある。今年は日本とオーストリアが国交を結んで150年になり、両国間でいろいろな催しが行われている。問題となったのは、10月30日付で日本大使館がウィーンで開かれている展覧会「ジャパン・アンリミテッド」の両国友好150周年事業としての認定を取り消したことである。国の認定はキャンセルされたが、展覧会は予定通り11月下旬まで開催される。

 一時中止になったが、再開された「あいちトリエンナーレ2019」の企画に参加した芸術家集団も招かれていたという。安倍首相に似せた人物が鎖国を訴えたり、戦争について中国と韓国に謝罪したり、東電福島第一原発事故の謝罪会見を題材にしている作品もあるという。まるで、「あいちトリエンナーレ2019」とそっくりである。確かに日本人にとっては、面白いものではない。自民党合同会議で問題になっていた節もあり、外務省から取り消しの連絡があったのかも知れない。「あいち~」が中止になった経緯によく似ている。

 展示企画者であるイタリア人マルチェロ・ファラベゴリ氏は、日本の本音と建て前をテーマにしたと語り、「日本を悪く言うのが目的ではなく、日本社会が複雑で多くの問題があることを示したかった」と説明しているが、この行く末はどうなるだろうか。「あいち~」の場合と異なり、150年の友好国オーストリアに対して失礼とか、恥ずかしい動作がないことを願っている。

2019年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com