4561.2019年11月7日(木) 安倍首相の責任を取らない無責任観

 過日の閣僚2人の辞任に関して、安倍首相が任命責任を痛感しているとの具体性のないお決まりのコメントを述べたが、これについて国会でも野党から厳しい質問がぶつけられている。言葉だけなら何とでも言えることであり、首相自ら本当に不適任な任命で国民に迷惑をかけたと思うなら首相自身の辞任や、一定期間職責を離れる、或いは給与を辞退するなど具体的に責任を取るべきだと思う。

 そして9月の内閣改造で同時に初の閣僚に就任した萩生田光一・文部科学大臣が「身の丈」発言やら、来年度から始まる大学入試共通テストで新たに導入される予定だった英語民間試験をこの期に及んで延期するなど、信念に欠ける対応に新大臣の椅子もぐらついている。他にも橋本聖子・オリンピック担当大臣の2020東京オリンピック・マラソンの札幌開催に関わる代表者協議では国の代表でありながら、その薄い存在感には果たして職務を果たしているのか極めて疑問である。

 大臣が所管官庁を管理出来ず、外部との交渉でも力を発揮しなければ、その存在は関係部門を失望させるばかりでなく、必要性と存在さえ疑われる。現在の内閣閣僚は大臣としての器に欠ける人物が、首相官邸への忖度とか、奉仕によって論功行賞として委ねられただけではないかと思いたくなる。これには野党の追及が弱い一面もあるが、安倍長期政権による気持ちの甘さや緩みが大きいと考えている。

 さて、先ごろ共著として出版した「新世代の観光立国」の拙稿「旅のあゆみ」について、明日麹町の海事センタービルで講演することになっている。その中で2020年に政府が目標とする外国人観光客が4千万人ということに触れるつもりだが、その数字達成が少々危うくなってきた。その最大原因は、中国人に次いで多い韓国人観光客が昨今の日韓関係の悪化により、このところ激減しているからである。

 全体的には訪日観光客は増加しているが、韓国人だけに限ってみると6月まで順調に伸びていたが、7月に韓国政府がGSOMIAから脱退を公表して以来減少に転じて、8月、9月の対前年比率は、それぞれ-48.0、-58.1%となった。2019年累計で9月までに740万人が来日してそれは対前年比+14.6%である。ところが今日のエンタメ番組「ミヤネ屋」で驚くことに10月の韓国人観光客は、83.2%も減少したと伝えたことである。こうなると韓国人の比率が高いだけに、2020年の4千万人が達成出来るかどうかいよいよ危なくなってきた。

 明日受講者の皆さんにこの現象をどう思っているのか聞いてみたい。

2019年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com