4563.2019年11月9日(土) ベルリンの壁崩壊から30年

 30年前の今日、11月9日はあの衝撃的なベルリンの壁が崩壊した日である。あの当時、すでに東欧社会主義国家体制にはほころびが目立っていた。同年6月ポーランドが、7月にはハンガリー政権が崩壊した。そして10月には独裁者チャウシェスク大統領夫妻が公衆の面前で射殺されて、ルーマニア社会主義国家も崩壊した。あれで米ソ対立、東西対立が解消へ向かった。思い返すとあれから30年の時が経った。東西ドイツが統一されてドイツ連邦共和国となったのは、翌1990年10月である。東西の対立が激しかった時代から、ドイツ統一を機に一気に社会主義国家が崩壊し、東西の対立が解消したのである。

 思い返してみると、あの時代の東西ドイツは特殊な関係にあり、異様な雰囲気だった。ベルリン市内に高い壁が設置され、両ドイツの住民は一方のドイツへ簡単に行くことが出来なかった。西ベルリンから東ベルリンへ入るのに検問所チャーリーを通らなければならなかった。チャーリーの出入国手続きも異様だった。バスで訪れてそこでバスから降りて境界線を跨ぎ、乗車してきたバスは底と地面の間に大きな鏡を差し込まれて怪しい人物とか、密輸品のような物が張り付けられていないか調べてものである。東ドイツに入ると雰囲気ががらりと変わった。東ドイツ国内滞在中も監視社会にいるような落ち着かない気分にさせられたものである。

 あの年の壁崩壊のクリスマスには、崩壊を祝う特別コンサートが催され、レナード・バーンスタイン指揮によるベートーヴェンの第九交響曲「合唱」が演奏され、世界中に感動を呼んだものである。このベルリンの壁崩壊を機に東西の対立は一応消えたが、今日対立は完全になくなったと言えるだろうか。近年右翼勢力が力を伸ばして移民の入国に反対し、新しい壁の設置を求める動きすらある。

 今日ベルリンで壁崩壊を記念した式典が行われる。以前と異なり旧東欧の首脳は出席するが、米ロ英仏の首脳は出席しないようだ。西欧圏国家の間でお互いに微妙な空気が流れているようだ。もう2度とあのような嫌な時代は来ないだろうと願っているが、絶対そうならないという保証はない。その前兆らしきものが顔を出している。

 さて、今夕天皇即位を祝う国民祭典が皇居前広場で行われ、安倍首相のお祝いの言葉、そしてそれに応えるように二重橋上にお出ましになった天皇、皇后両陛下がスピーチをされて応えられた。皇居前広場には約3万人もの人びとがお祝いに訪れた。人気グループ「嵐」が舞台で華祝曲を披露して天皇、皇后もじっと聴いておられ、皇后は涙ぐんで中々格式高いものだった。万歳三唱もされた。テレビ・ニュースで観ると随分和やかに行われた。気になったのは、明日の両陛下の祝賀パレードのニュースばかりメディアで事前報道され、残念ながら今日の行事は事前にメディアでほとんど伝えられなかったことである。私もNHK夜の7時のニュースで初めて知ったくらいである。その後各局とも断片的に伝えていたが、どうして新聞は今日のようなお祝いごとを、前以てきちんと伝えてくれないのだろうか。

 ともあれ明日の祝賀パレードをじっくりテレビで鑑賞するとしよう。

2019年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com