4555.2019年11月1日(金) 東京五輪マラソン、札幌に変更決定

 東京か、札幌か、こじれていた2020年東京・オリンピックのマラソン・競歩の開催地は、十分な合意のないまま東京から札幌に変更することに決定した。一昨日以来3日間に亘ってコーツ国際オリンピック委員会(IOC)調整委員長、国から橋本聖子五輪担当相、小池百合子東京都知事、そして森喜朗大会組織委員長の4者が協議を続けていたが、小池都知事が「合意なき決定」として不承不承札幌開催を受け入れた。都は、①会場変更の最終権限はIOC にある、②移転費用を負担しない、③これまでにかかった費用の一部を都は負担しない、④その他の競技は会場を変更しない、などを了解してIOCと合意した。

 不満を抱えたまま理不尽な決定となったが、この会場変更には、いくつもの問題点が残された。まず、この期に及んでIOCの傲慢さがあからさまに表れた。スポーツ評論家や関係者の間には、IOCが現場サイドから事前に意見を聞かずに、上意下達で札幌開催決定を押し付けたことに強い不満が出ていた。

 不満のひとつは、いくらドーハで行われた国際陸上マラソンで暑さのため途中棄権ランナーが28/68人も出たからといって、開催地の東京都からきちんとした了解もなく、一方的に東京からやや涼しい札幌へ移転するというのは、少々強引であり遅過ぎるのではないか。IOCと国際陸連はなぜもっと早くこの暑さ対策を具体的に検討しなかったのだろうか。

 もうひとつは、現場関係者の意見を真摯に聞かなかったことである。今朝テレビ出演した瀬古利彦氏は、決定の仕方に強い不満を述べていた。

 さて、遅すぎた変更決定に引きずられている間に、来年度から実施される大学入試の英語民間試験を延期すると萩生田光一文部科学相が表明した。これもあまりにも唐突な事態の変更となった。今日から大学入試センターで必要な共通IDの申し込みが始まったが、これを急遽中止する有様である。改めて2024年度から始められるよう見直しを進めていくという。最初から制度設計が甘かったのではないだろうか。あまりにも拙速に過ぎる。

 それにしても大きな影響を与えるオリンピックの最終競技マラソンの会場変更や、全国の大学入試に影響を及ぼす英語試験の延期など、なぜもっと早く結論を出せなかったのか、理解に苦しむ。

2019年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com