4539.2019年10月16日(水) トラブルに直面する国内外社会情勢

 台風19号の甚大な被害に罹災者は困り果てている。あまりの惨状に安倍首相も近日宮城、福島両県を視察がてら見舞いに行くことを発表した。

 日本国内がこの数日台風襲来に振り回されている間に、海外でも政治的な緊張状態にそれぞれ国民の目が注がれている。

 6月以来デモが絶えず、混乱が収まらない香港では、今日デモの発端となった逃亡犯条例改正案が正式に撤回される予定で林鄭月娥・行政長官が施政報告演説を行った。ところが、民主派議員が抗議したため、議会は休会に追い込まれ、23日に延期された。まだ当分もめそうだ。

 一方、今最も注目を集めている紛争地域はトルコのシリア近くの国境周辺である。トルコとシリアが綱引きをやっている中に少数民族クルド人を巻き込み、そのうえ背後にアメリカとロシアが控えて両国関係は複雑になっていた。そこへアメリカ軍が支援していたクルド人を見捨てるように撤退してしまったので、シリアにいるクルド人がシリアと提携した。これによりシリアにいるクルド人はトルコを敵に回すことになった。それによりトルコ軍がシリア領内を砲撃して国境は緊張状態となった。元はと言えば、アメリカが支援していたクルド人を見捨ててシリアが彼らと手を結んだことである。アメリカはトルコに圧力をかけているが、これまでシリアを支援していたロシアがトルコにも色目を使っている。トランプもトランプなら、プーチンもプーチンである。

 更に北アフリカのチュニジアで政治経験のまったくない憲法学者のカイス・サィード氏が大統領に選ばれた。対立候補に圧倒的な差をつけて当選した。2011年にベンアリ政権が「アラブの春」で倒れて以来失業問題が恒常化して失業率が、昨年は15.5%にまで悪化して国民の批判が強まっていた。政治に素人で公平を主張する新大統領が、果たして国民の期待に応えてくれるだろうか。

2019年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com