4531.2019年10月8日(火) 首相も自治体の長も現場を知らない。

 長い休会から一昨日国会が開会された。昨日安倍晋三首相が所信表明演説に対する枝野幸男・立憲民主党代表の質問に答えていたが、ちょっと気になったことがあった。それは先月の台風15号の被害に対する国と千葉県の初期対応の遅れが追及されている中で、「迅速・適切に行われた」と応えたことである。本当にそう思っているのだろうか。千葉県民からあれだけ対応が遅いと責められ、今なお後遺症がある状態を何と思っているのだろうか。首相は「被災地のニーズを踏まえたさまざまな支援策を講じてきた」と強調し、長期間にわたる停電や復旧プロセスなどに課題があった事実は認めながらも、検証チームで「徹底的かつ客観的に検証していく」と述べた。森田健作・千葉県知事の遅い対応も県のトップとしては極めてお粗末である。

 本件については、千葉県議会でも森田知事に対して厳しい意見を突き付けていた。災害対策本部設置のタイミングなど県の対応の遅れの指摘に対し、台風が上陸した9日未明から丸1日たった10日午前9時に災害対策本部が設置されたことや、市町村への県職員の派遣が12日夕方になったことが問題視されているにも拘わらず、森田知事は「設置が台風通過の翌日になったことは対応の遅れにつながったとは考えていない」と否定していた。

 森田知事が台風の被害後最初の会見の際は、あまりにもピントのずれた答弁に事態の深刻さが分かっていないのではないかと少々呆れたほどである。今頃になって言い訳三昧に対応は問題なかったと言ったところで、県民はどう思っているか。森田知事はちょっと感度が鈍いのではないか。その点首相も同根である。

 他にも、首相の答弁では、関西電力役員がもらった金品受領、消費増税時の混乱、あいちトリエンナーレ補助金不交付などについて、いつも通り枝野氏の質問に対しても焦点を巧みにはぐらかしながら切り抜けていた。

 現状では安倍首相が長期政権から得た自信とテクニックを持って、今国会もそつなく潜り抜けるのだろうか。こんな調子で大丈夫だろうか。

2019年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com