4530.2019年10月7日(月) ラグビー・ワールドカップ、人気の秘密は?

 ラグビー・ワールドカップがこれほど盛り上がり広く取り上げられるとは予想もしていなかった。前回大会で優勝候補の南アフリカを破ったことがラグビー史上最大の番狂わせと言われて以降、ラグビー人気は徐々に向上し、今大会は日本各地で行われることもあり大会前から人気は盛り上がっていた。全国各地における盛り上がり方もこれまでにないほど熱気に包まれ、日本が得点を上げる度ごとにわっと上がる歓声は熱狂的なものである。ルールを知らないにわかファンも多いようだが、それでいて一昨日の対サモア戦のテレビ平均視聴率は32.8%で、瞬間最高視聴率は驚くことに46.1%に達して今年のスポーツ中継で最高を記録したというからすごい。この調子だと第1次予選突破を賭ける次の対スコットランド戦は大変なことになりそうだ。

 このせいで、プロ野球ペナントレース終盤戦から日本シリーズへの挑戦権を賭けたクライマックス・シリーズも今一つ影が薄い。

 今日も昼間の各エンタメ番組では、関係者が出席して試合のビデオを観ながら立体的に解説していた。素人には分かり難いルールについてもジェスチャーを入れて丁寧に説明していた。

 ラグビーのルールはそれほど細かいわけでもなく、ルールの数も多くはないが、その反面スクラムサイドのペナルティなどは、ラグビーをプレイした人間でさえ瞬時分からないことがある。

 派手なプレイなどに幻惑されがちであるが、ラグビーは‘ONE FOR ALL,ALL FOR ONE’の合言葉に象徴されるように全員のプレイが等しく評価されるもので、決して好プレイをしたひとりの選手の手柄ではない。その点で最初のロシア戦で4トライを上げた松島選手を称えて翌朝のエンタメ番組で「あっぱれ!」と叫んだマラソンの瀬古利彦氏は、ラグビー精神の理解にはまだ程遠いことを露呈した。

 今ではアメリカのお調子者トランプ大統領のせいで、一国主義が罷り通っているが、ラグビー日本代表チームのように最初はやや馴染まなかった外国出身選手がチームの屋台骨を支えていることも受け入れられるようになった。日本を愛する人たちが、日本代表チームを作り上げている。こういう考えが世界中に周知されることが望ましい。そういう意味でも今年のワールドカップは大いなる意義があったというべきであろう。併せてトランプ氏のような排他主義者にとっては良い教訓となったのではないだろうか。

2019年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com