4520.2019年9月27日(金) 情けない旧大英帝国の凋落ぶり

 世界の多くの国が今申し合わせたように内憂外患のようだが、特にイギリスの場合、かつての大英帝国であるだけに議会の機能不全が突出して目立っている。EU離脱を巡り国論は完全に二分している。現状では10月末にEU離脱の期限を迎える。ジョンソン首相は一方的に9月10日から10月14日までの5週間の議会閉会を決定していたが、野党のみならず、与党の一部からも批判が出ていた。大事な時期に5週間も議会を閉会させた適法性が問われてこれを違法として野党から訴えられ、最高裁は24日に議会閉会は違法との判断を下し、25日から議会を再開することになった。ただ、依然として首相は強気で解散、総選挙の行使も視野に入れている。

 そんな最高裁の決定が下された難しい時にジョンソン首相はニューヨークの国連総会に出席した。議会閉会は首相の助言に基づいてエリザベス女王が行った形になっており、女王の行動が最高裁によって否決されたことになる。ジョンソン首相は女王を政争に巻き込んだとの批判も浴びている。

 いずれにせよ議会は再会されたが、10月17日、18日にEU首脳会議が開かれる。そこで新たな離脱条件が合意されるか、或いは離脱がまたもや延期されるか、現状では不明だが、来月31日には確実にイギリスのEU離脱期限がやって来る。

 天下の旧大英帝国がついに自力でEU離脱の結論を出せず、機能不全に陥っている。かつては地球上に多くの植民地を獲得、支配して世界の覇権を握り君臨していた、あの大英帝国がかくも無残にも無能ぶりを曝け出すとはかつては想像も出来ないことだった。ミヤンマーのロヒンギャ難民問題にせよ、香港デモの対応においても、イギリスは自らに責任がある行為を冒しておきながら、責任を取らず逃げまくっている。その酬いが今イギリスにツケとして帰ってきている。思い上がって長年に亘り途上国を痛めつけ植民地支配に胡坐をかいていた結果が、今イギリスにのしかかっていると思う。

 さて、今日は御嶽山の噴火からちょうど5年になる。死者・行方不明者63人の犠牲者を生んだ。この山は3,000mを超える高峰だが、残念ながら富士山、乗鞍岳と並んで御嶽山の独立峰3山は頂上制覇を成し遂げることが出来なかった。今では膝の痛みに加えて、高齢のせいもありこれら3山登攀は夢となってしまったが、その分思い込みも強い。一昨日の元会社の山岳部OB会でも山の話になると止まるところを知らない。山に登って得たものは、自分の身体の中に蓄積されているものと思う。今では乗り物で行って景色を楽しむだけになってしまったが、それでも登山をしたこと自体が人生の、また私自身の活力の源泉になっていると思っている。

2019年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com