4510.2019年9月17日(火) 災害時における国と自治体の対応

 この度の台風15号による千葉県全域の被害状況に対して、直ぐに対応出来ない行政に大分批判的な声が上がっている。実際台風が襲来したのは8日夜であり、すでに9日が経っている。しかし、停電、断水は未だ完全に復旧しておらず、8日午後8時現在停電は64万戸だったが、それが16日午後5時現在未だ7万5千戸が停電のままである。

 これまでの自然災害のケースで今回のような台風による被害に対して、これほど復旧が遅れたことは極めて珍しいと思う。その最大の原因は、国と自治体、特に千葉県に責任があるように思っている。昨日被災現場に小泉進次郎・環境大臣と河野太郎・防衛大臣が足を運んで被災者の声を聞いていたが、政府の対応の遅れも問題である。内閣改造事案に忙殺されていたのかも知れないが、まず政府が災害対策本部のような縦の命令系統の組織をいち早く設置すべきではないか。防衛省や環境省がバラバラに動いていては、業務は捗らないし各省も動きにくい。

 次いで思うのは、当事者である千葉県が、県民のためにもっと積極的、かつ迅速に動くべきではなかったかということである。台風で予想外に多くの樹木や電柱が道路上に倒れて交通障害を起こしたことによって、東京電力が充分被害の状況を把握出来なかったことも回復を遅らせている大きな原因である。

 森田健作・県知事の言動を見ていると、県自ら積極的に動こうとの意欲と真剣な姿勢が感じ取れない。停電のせいもあるかも知れないが、率先して県が動かないことが、すべての復旧支援に出遅れた原因があると思う。各市町村の被害状況を県が把握出来ず、素早い支援体制が構築出来なかったからである。

 とりわけ、森田知事の発言を聞いているとまるで他人事である。歌手として鳴らし、長年に亘って政治家としての経験を経てそつない言動では世慣れているかも知れないが、現場を歩き、現場で苦労を重ねた経験に疎いために真の意味で現場を知らず、どう対応すべきかが分からないようだ。やはり現場で苦労していない人物は、組織のトップに就くべきではないと台風15号被災を通して強く感じた。

 ある防災対策の専門家が言っていたように、これほど度々自然災害の襲われる日本では、恒常的な役所として、防災対策省のような役所が必要ではないかと思う。

2019年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com