4498.2019年9月5日(木) 気になる香港デモとイギリスEU離脱の行方

 昨日の本ブログに書き込んだ世界中の関心を呼んでいる香港デモとイギリスのEU離脱に関する動きについて、やはり変化が表れてきた。

 まず、香港デモ関連ニュースであるが、林鄭月娥・行政府長官がデモの引き金となった「逃亡犯条例」の撤回を表明した。しかし、民主派のデモ隊はそれだけでは不十分だとして抗議活動を続けると言っている。彼らは、逃亡犯条例の他に、いくつかの要望を提出していた。それは、①林鄭月娥長官の辞任、②警察の暴力追放、③普通選挙の実施などだった。これらについては行政府側は応じていない。中でも香港行政府の後ろ盾となっている中国政府が最も嫌うのは、普通選挙の実施である。

 それでも6月から始まったデモで市民生活に大きな影響が出て、それが経済や観光面にはっきり表れている。10月1日に建国70周年を盛大に祝いたい中国としては、事態の収束を急ぎたいところであり、その意を受けた香港行政府としてもジレンマに陥っている。そこで行政府としては、最大の要望だった逃亡犯条例の撤回によって何とか鎮火させようと考えたのではないだろうか。民主派は現状に満足せず、行政府から譲歩を引き出すために更に民主化運動を続けていく気持ちでいる。その中で先日身柄を拘束されたばかりの若い女性・周庭さんのひた向きに民主化を追求する姿勢には頭が下がる。今の日本にこれほど熱い情熱を秘めた若者が果たしてどれだけいるだろうか。

 一方でイギリスのEU離脱問題は、日本時間昨夜離脱を延期する超党派の法案が下院議会で賛成多数により可決された。これで就任間もないジョンソン首相はまず1敗を喫した。これに対してジョンソン首相は同法案に対抗するため総選挙の実施を求める動議を提出したが、これも必要な2/3の賛成を得られず、否決された。ジョンソン政権は1日に2連敗を喫した。これでジョンソン首相はまた彷徨うことになった。だが、したたかな首相は総選挙を行うため議会解散を狙っていろいろ秘策を考えているようだ。自ら王室の流れを組むという育ちの良さを自慢するが、やることはこす辛い。イギリス史上最短在任首相になる可能性もある。そろそろ派手なパフォーマンスを引っ込めてピエロ役を止めたらどうか。

2019年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com