4472.2019年8月10日(土) 3日前に消失した自著原稿復元

 3日前にパソコンに保存していた筈の原稿が突然消えてしまい、せっかく脱稿間近に迫っていたドキュメント原稿が行方不明になり途方に暮れていた。私の力ではどうしようもなく、神頼みするより手がなかった。すぐにいつも世話になっているITコンサルタント小糸氏に連絡を取り、今日午後自宅へ来てもらった。私自身原稿消失の事態に煙に包まれたような状態だったが、小糸氏もどうしてだろうかとしばらく首を傾げていた。

 しかし、案ずるより産むが易しで、小糸氏はほんの10分ほどPCをチェックしていたが、私が知らないような引き出しから似たようなタイトルを見つけてくれた。その中のひとつを開けてみたところタイトル、頁数ともにまさに探し求めていた消失原稿だった。昨晩も夜中に起きた時にハッとこのことを思い出して落ち込んでしまった。それが再びPC上に現れたのだ。これでまた最初の頁から書き直す必要がなくなった。単純なミスで消えたものかも知れなかったが、嬉しかった。これで今年中か、来春には予定通り新刊本を上梓出来る。やれやれである。もう2度とこのようなバカ騒ぎは繰り返したくない。流石に小糸氏はプロだなぁと感心しきりである。今晩はゆっくり休むことが出来そうだ。

 さて、明日と18日合併号「しんぶん赤旗日曜版」に「8月15日-今言いたい 戦争は悪、愚かな行為」と題して園部逸夫・元最高裁判事と並んで、作家なかにし礼氏が戦争体験者として厳しい意見を吐いている。

 なかにし氏は私と同じ年で2003年同時期に日本ペンクラブにともに入会した。当時東京会館で行われた新入会員紹介の際、ずっと若い弁護士の菊間千乃氏らとともに壇上に上がったことがある。そのなかにし氏が最新刊「わが人生に悔いなし」をPRしながら激動の半生を振り返っている。氏は私の戦争体験とは次元が違うほど苦労され辛酸を舐めた。戦争末期から満州で生活し、父親はソ連の強制労働に駆り出されて病死している。満州から引き上げる途上で乗っていた列車がソ連軍機に機銃掃射を受け命からがらの逃避行を続けた。あの苦しい生活体験があったからこそ戦争に対する嫌悪感が消えず、戦争反対を信念にして、作家として何とか戦争体験を書かなければいけないと思ったそうである。日本国憲法に9条で軍隊を持たず戦争を放棄した条文に感動を覚えて、憲法を守り抜く決意を固めたと述べている。なかにし氏がこれほどまでに反戦の気持ちが強いとは今の今まで知らなかった。その意味から憲法改正を目論む安倍首相を批判している。今後は彼の言動を注視したいと思っている。

 なかにし氏が訴える言葉は同年代の我々にとってはもちろん、戦争を知らない世代にとっても反戦を訴えてくれると思う。

2019年8月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com