4471.2019年8月9日(金) 長崎「原爆の日」は灼熱地獄

 今日は6日の広島「原爆の日」に続いて、長崎に原爆が投下された記念日である。長崎市内の平和公園で行われた平和祈念式典で、田上富久市長は被爆者の詩を読み上げた後で、長距離核戦力全廃条約が失効されたことに鑑み、積み重ねてきた人類の努力の成果が次々と壊され、核兵器が使われる危険性が高まっていると指摘して、唯一の被爆国の責任として日本政府に核兵器禁止条約への署名と批准を迫った。だが、安倍首相は昨年、及び先の広島の平和祈念式典に続きこの問いに応えなかった。相も変わらず首相は被爆者の期待を裏り続けているのである。

 ところで、今年の夏の暑さは異常で、世界的にも近年にない突出した暑さのようである。暑さは日に日に強まっている。先月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃の日本歴代最高気温を記録したというから、尋常ではない。都内だけでも熱中症による死者の数が45人となった。来年の今ごろはオリンピックもちょうど花盛りであるが、炎天下にどんなトラブルやハプニングが起きるか見当もつかない。選手や観客の中にも多くの熱中症患者が現れるのではないかと今から気になる。

 ついては、1964年東京オリンピックは、10月秋空の下に開催され暑さなどまったく心配することもなくスムーズな開催だった。その東京オリンピック・マラソンで優勝したエチオピアのアベベ選手に次いで銀メダルを獲得したイギリスのヒートリー選手が、3日85歳で亡くなった。思い出深い2020東京オリンピックを曾孫と観戦にやって来るのを楽しみにしていたという。金メダルを獲得したアベベ選手は、運転していた自動車事故が遠因とされているが、玉座を追われたハイレ・セラッシェ皇帝の秘蔵っ子だったこともあり、王制打倒派に睨まれ幽閉の後に殺害されたのではないかとの噂がある。真因は不明のまま41歳で亡くなり、銅メダルの円谷幸吉選手は27歳で自決した。メダリスト3人のうちヒートリー選手を除く2人が不幸な末路を辿った。華やかな裏面に隠れて不幸な一面もあるものだ。一方で、1968年1月9日円谷選手が自決した翌日アジスアベバでアベベ選手の甥御さんに会ったことも懐かしい。

 それはさておき、海外でもパリ市内では昨日42.6℃だったというから地球上いずこも異常気象だということが分かる。北極圏のグリーンランドでもいつもなら氷が固まっている筈が、その氷が解けて一面水になっていた。特にアジア、アフリカ、ヨーロッパでは雨が降らなくなり農耕地の干ばつによる農業、酪農への影響が懸念されている。このまま地球温暖化が加速すれば、先進国の人口減少とは反比例して2015年には73億人だった全人口が今世紀末には95億人と推定されているが、これだけ多くの人たちの食糧を賄うのは、極めて難しいのではないかと思われる。

 「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、昨年10月地球温暖化が現在のペースのまま進めば、2030年から52年の間に1.5℃地球上の気温が上昇するとの報告書を公表した。地球温暖化が益々進み、生活面において厳しい局面が予想されている。この現状を改善すべく1997年に採択された京都議定書以後2016年に発効した気候変動枠組み条約について、トランプ大統領が「地球温暖化はでっち上げ」と身勝手にもアメリカ・ファーストの考えを言い出し、一方的に協定から離脱を表明したのである。温室効果ガス最大排出国の中国とともに排出量世界第2位のアメリカが、迷惑を被っている他国のことを一切配慮せず地球温暖化対策に背を向けている。これで食糧不足で餓死者が溢れるようになれば、それこそアメリカと中国にその最大の責任があると言ってよい。その両国が米中経済戦争を行って諸外国にはた迷惑の限りを尽くしている。この思い上がった2つの国がこの世からいなくなれば、どれだけ世界が平静に保たれるだろうか。

2019年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com