4461.2019年7月30日(火) シベリア収容の遺骨は日本人ではない。

 シベリア抑留中に亡くなられた日本人の遺骨16人分が、実際には日本人のものではないことがDNA検査の結果判明した。これは少々お粗末だと言わざるを得ない。5年前ザバイカリエ地方のロシア人村長の言葉を信用して同地の埋葬地から掘り出し、日本へ持ち帰った遺骨はそのまま日本に留め置かれたままである。もし再びロシアへ戻されるなら遺骨となったそのロシア人たちと彼らの遺族の気持ちは堪らないだろう。

 どうしてこういう理不尽なことが起きるのだろうか。10年前にフィリピンでも同じようなことがありフィリピンでの遺骨収集事業は8年間中断された。1952年に太平洋戦争戦没者遺骨収集事業が始まった当座は、1か所から多くの遺体や遺骨が収集された。そこには戦没者の名前が確認出来る証拠のようなものがあった。多くの関係者の間でそれらの遺骨はすべて日本人であると認められて日本へ持ち帰られた。名前の判別出来る戦没者の遺骨は遺族に引き渡され、そうでない遺骨はそのまま千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ埋葬された。

 今度のケースのように最近発見される遺骨は、日本人であるとの確認が難しくなり、DNA検査が実施されない場合は、このように間違えられることが起こり得る。今後は明らかに日本人のものであることが分かった場合を除いてDNA検査を実施する必要があると思う。

 1992年にシベリア、サハリンを訪れた時、ザバイカル近くのチタ、イルクーツクなどの日本人墓地を見学したが、それらはきちんと整備されていて杜撰な印象はなかった。今回は日本から鑑定人を同行させなかったことが失敗だったと思う。難しい点は多々あると思うが、戦争に命を捧げた人たちの遺骨に関わることであるだけに、多少時間がかかっても敬意を払って慎重に作業を進めなければ、異国の戦地で尊い命を落とされた戦没者も浮かばれないと思う。

 さて、その戦没者遺骨収集事業を管轄とする厚生労働省が、今日日本人の平均寿命を公表した。女性87.32歳、男性81.25歳である。世界長寿番付では男女とも香港がトップで、日本人女性は第2位、男性は3位である。私は80.75歳なので平均よりほんの少し若いが、残り半年でちょうど平均寿命になる。一昨日兄が82歳の誕生日を迎えたので、祝福のメールを送ったところ母方祖父は87歳、父は93歳まで頑張ったので、時代の変化もあり父より10年は長生きするつもりだと意気軒高の返事をもらった。父より10年長生きというと優に百歳を超える。大丈夫かなぁ?  でも、その意気や佳しと言っておこう。

2019年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com