4460.2019年7月29日(月) 安田純平氏の身柄拘束と開放

 今日関東地方でも漸く梅雨が明けたと気象庁が発表した。昨年より30日遅いという。都内の気温は今年最高の33.7℃だったが、北関東方面では激しい雷雨もあったようだ。どうも今年の天候はひねくれている。

 さて、先月30日にフジ・テレビで放映の興味深そうなドキュメント番組が放映されたので録画しておいた。そのドキュメントとは、フリー・ジャーナリスト安田純平氏の身柄拘束と開放を扱った「デマと身代金」だった。安田氏は昨年10月シリアで身柄拘束後3年4か月ぶりに開放されたが、その折日本政府が身代金を支払ったのではないかとの風評やデマが飛んで、ネット上には安田氏への誹謗中傷が数多く寄せられた。これに対して安田氏もかなり悩んで、この2時間近い番組でも気持ちを打ち明けて、何とか誤解を払拭したいとの心意気が表れていた。

 安田氏開放に即して昨年11月、私自身のヨルダンでの身柄拘束を絡めて、安田氏の身柄拘束と開放について箱根ロータリークラブの卓話でスピーチの機会をいただき話したことがある。世間では「自己責任」という名の下に、個人で行動して不運にも身柄を拘束されると鬼の首でも取ったように身勝手な行動だとして当該者を厳しく非難する傾向がある。真実や、得難い情報を得ようとして大手メディアが記者を派遣しようとしないところへ積極的なフリーランサーが飛び込もうとする行動についても、やれ「無責任」とか、「身勝手」「自己責任」などと冷淡な言い方をされることが多い。拘束中は安田夫人にもいろいろプレッシャーがあって、国内外から解放の仲立ちをしたいとの売り込みや申し出が度々あったそうである。結局安田氏が日ごろから解放の仲介は絶対断るとの意志が固かったので、その誘いに乗ることはなかったが、冷やかしや、悪意のある情報が多かったという。

 それにしても人の苦しみにつけ込むネット上の身勝手な言い分には心が痛む。録画像では安田氏が幽閉された作画を見せていたが、心身ともに追い詰められた場面を見せられる都度苦しかったであろう心境に同情したくなる。それでも芯からジャーナリストである安田氏は、この苦境を乗り終えて再び真実の取材のために海外へ出ようとする。

 先日安田氏は新たに旅券を申請しようとしたところ、外務省はそれを拒絶したという。安田氏が海外で再び身柄を拘束されることを恐れたのだろうか。安田氏は個人の海外渡航の権利を妨害されたとして訴えると述べていたが、いつもながらケツの穴の小さい政府の対応である。これでは、現場で臨場感のある情報が益入手出来なくなるのではないか心配になる。

2019年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com