4448.2019年7月17日(水) 駒大講座で浅沼委員長暗殺事件を想う。

 今日は駒澤大学ジャーナリズム・政策研究所公開講座前期日程の最終回である。共同通信社山田講師が21日投票の参議院議員選挙について話された。その中で首相には衆議院解散を決められる専権事項が与えられていると話された。首相にはウソを言っても許される発言があるという。つまり解散をすると言っても解散しないことは許されることの他にも、2つのウソをつくことが許されているという。

 他の2つとは、①公定歩合引き上げと、俄かには信じられないが、②東京地検特捜部の強制捜査、だそうである。そう言われてみれば時折なにやら怪しいビヘイビアが見られることがある。

 その後朝日の向井講師からは自身の体験を含めて過去の衝撃的なニュースについていくつか話された。そのひとつが、1989年朝日社長引責辞任に追い込んだ朝日記者による沖縄のサンゴ損傷事件と、1960年10月12日発生した浅沼稲次郎・社会党委員長暗殺事件だった。いずれもよく覚えているが、とりわけ後者には思いが深く、今日も浅沼委員長の面白おかしかった講演の印象について私から話をした。

 安保条約改定の半年ほど前に浅沼氏が慶應日吉キャンパスに来られ、学生に向かって凡そこんな話をされた。「戦争が好きで人殺しをやりたい人はアメリカとの条約に賛成して戦争に行って勝手に死ねば好い。だが、戦争なんか大嫌いで、戦争なんか行くたくないという人は、社会党とともに安保に反対しよう」。この前後にライシャワー駐日米大使と藤山愛一郎外相の大物スピーカーも相前後して日吉に来られ、これからの日本にとって必要な安保条約改定に賛成するようスピーチされた。安保闘争が学生運動となり、国民運動となった時代に学生生活を送れたということは、学生として国家観と世界観を養ううえでも勉強になった。その点で今の学生には気の毒だと思う反面、彼らに残念ながらあまりエネルギーを感じない。

 私の話に向井講師も耳を傾けてくれた。時折若い時代にのめり込んだことを懐かしく想い出すのはノスタルジックに過ぎるかも知れないが、それも良いものだと思っている。

2019年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com