4446.2019年7月15日(月) 加齢とともに俗世界から逃避する傾向

 昨日旅行業界に詳しい知人の弁護士から暑中見舞状をいただいた。そこには古希を迎えた知り合いから正月に年賀状をいただいたが、今回を最後に以後の交信謝絶を宣言されたことに対する気持ちが書かれていた。「全ては『気』が重要なのだ。交信謝絶されようが、賀状等を送り続け、多少は怒らせて白寿超えをめざしていただこう」と結んであった。意気大いに結構である。私も近年毎年のように私より若い友人知人から、翌年以降年賀状を遠慮させて欲しいとの年賀状をもらう。今話題になっている引きこもりは、こういう自分自身の小さな後退現象から起きるのではないかと気になる。結局外の世界、友人たちとのせっかく長年に亘って築いてきた友情や、交流の機会を自ら断ってしまうのだ。新たな情報は入らなくなり、いずれ友人らは離れていく。だんだん寂しくなる老境に歯止めがかからず、気が付いたら周りに誰もいなかったということになる。自らをひとりぽっちに追い込んでしまうのだ。

 明治維新成った明治元年、明治天皇が「五カ条のご誓文」で「智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スベシ」と誓約したように、外へ外へとの気持ちと行動を表すことで日本は世界へ船出して行った。それなのに船出する人が減少しているということで、人間として退化してしまうのではないだろうか。ましてや、今や人生百年説が広がりつつある。その弁護士さんには、これからも前向きに手紙や文章は書き続けて本も読んでいきたいと賛同する返事を送った。

 少子高齢化が進むにつれ、日本社会は多様に変化している。厚生労働省の人口動態調査で分かったことであるが、その影響は亡くなった人の死因にも表れている。全体的に老衰で亡くなる人が増えた。他に死亡の原因がない老衰はいわゆる自然死である。その老衰による死因は、第1位のがん、第2位の心疾患に次いで第3位になったそうである。明らかに高齢化の影響である。

 さて、今日は「海の日」であるが、生憎小雨まじりの天候で空はどんよりと曇っている。海水浴どころか連日の雨空、曇天の影響で気温が上がらないうえに、日照時間が少なく1日当たり僅か3時間以下の日が今日まで連続19日も続いている。これは1963年の連続17日の記録を破るものだそうだ。海水浴場やプールの人出が例年の1/5 以下というところが多い。農作物が被害を受けて野菜の価格も高騰している。普段は気が付かないことであるが、やはり自然の異常変化は怖いものだとつくづく思う。

2019年7月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com