4431.2019年6月30日(日) アメリカの日米安保条約破棄は望むところ

 今日朝鮮半島国境・板門店でアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正温・朝鮮労働党委員長が会談した。その後の記者会見によると今年2月に物別れに終わって以来、ともに疑心暗鬼のまま先が見えない両国の関係だったが、今日の会談で次の実質的首脳会談へ向けて一歩踏み出すのではないかと期待される。今日の会談も昨日になって唐突にトランプ大統領がツィッターで会談を申し出たのだ。G20 を終えたばかりの大統領は韓国へ飛び、今日文在寅・韓国大統領とともに板門店へ向かい金委員長と会ったのである。金委員長は直前まではっきりした返事を送らなかったが、やはりせっかくの機会を逃すわけに行かず、会うことになった。アメリカの現職大統領が国境を越えて北朝鮮領内へ入ったのは初めてである。

 こうした行動にしても、やはりトランプ大統領の一連の言動には、思い付きのようなパフォーマンスがあると改めて認識した。

 昨日安倍首相と会談した際、日米安保条約は不公平で片務的な条約であると伝えたと公表した。しかも、過去6か月間言い続けてきたという。これまでもとかく身勝手なアメリカ大統領の発言は、一方的にして軽く少々異常でもあり、同盟国である日本に対して些か失礼な発言だと思う。このトランプ発言に対して、政府は片務的ではないと反論しているが、それならトランプ大統領やアメリカ政府に対して、きちんと説明し、間違っている点については明確に訂正を促し、抗議をすべきではないだろうか。どうも政府の対米スタンスは弱腰に過ぎると思われる。

 いくら日米貿易交渉を有利に進めるための牽制球であるにしても、トランプ大統領は安保条約の中身を完全に理解しているようにはとても思えない。1960年に改定された条約以降、国内で大きな問題になりながらも、自衛隊の海外派遣や集団的自衛権などアメリカに配慮した法改正を行っている。アメリカ軍基地の駐留経費の負担も他国の駐留負担割合に比べて日本は多い。例えば、イタリア、韓国、ドイツの米軍駐留経費負担がそれぞれ41%、40%、32%であるのに比べて、日本は74.5%を負担している。年間の在日基地米軍駐留経費としても年間2千億円も負担している。このトランプ発言に対して日本原水爆被爆者団体協議会・田中熈巳代表は、「日本政府は『では沖縄の基地を返してほしい』と言えばいい』と語っている。アメリカ軍基地が存在することによって基地周辺住民が現在騒音問題等でどれほど苦しんでいることか。

 私は、問題の本質である日米安保条約を解消すれば、基地問題はとりあえず解決出来ると考えている。突然飛び込んできたチャンスを逆手に取り、日本は早々にアメリカ政府と安保条約破棄に向けた交渉に入るべきだと思う。少なくとも日本政府はアメリカにこうした国民の声を率直に伝えても良いのではないだろうか。

 さて、来年秋行われるアメリカ大統領選挙を控えて、トランプ大統領の選挙目当ての言動が外国に対する押しつけがましい圧力にもなっている。そのトランプ大統領と闘う民主党内候補予定者も少しずつ意見が伝えられるようになった。すでに民主党内では党内の指名を巡って22名もの候補者が名乗りを上げているが、一昨日テレビ討論会が開かれた。その中でトップを走っていたバイデン元副大統領と、彼を追いかける若者に人気のサンダース上院議員に対して、黒人女性ハリス上院議員が人種差別問題で舌鋒鋭く追及し、立場が変わったのではないかと言われている。バイデン、サンダース両氏はともに年齢的に厳しいと考えられている。2人とも仮に大統領に選任されると任期満了時にはそれぞれ81歳、82歳となっている。ワシントン・ポスト紙は「ハリス氏が圧倒的な演説でバイデン氏とサンダース氏に圧勝」と報じた。これからの行方が注目される。

2019年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com