4430.2019年6月29日(土) G20 における日本の評価と存在感は?

 昨日開幕と思ったらG20 サミットは、今日もう閉幕である。各国お互いに考え方が異なる中で、僅か2日間の会合で同じ方向へ足並みを揃えるようなことを期待することは難しい。その中で対立を懸念されていた米中両国が、首脳同士の会談を行った。米中は新たな制裁、報復措置の発動を見合わせ、貿易戦争打開に向けた通商協議を再開することで同意した。ひとまず最悪の事態は先延ばしされた。しかし、トランプ大統領の気は移ろいやすく、不意に思い付きで発言するので、どこまで実効性があるのかは何とも言えない。

 首脳宣言を採択して閉幕した後で安倍首相は記者会見を行い、「自由で公正、かつ無差別な自由貿易の原則を明確に確認出来た」と述べ、「力強い経済成長を牽引していく決意で一致した」と強調したが、今年もトランプ哲学に配慮して首脳宣言に「保護主義と闘う」の文言を盛ることは見送られた。地球温暖化については昨年アメリカがパリ協定から離脱すると一方的に述べていたことから、予めフランスのマクロン大統領は各国が考える温暖化抑止のハードルをアメリカが下げるのではないかと懸念していたが、海に流出するプラスチックごみを2050年までにゼロにする日本の「オーサカ・ブルー・オーシャン・ビジョン」提案が合意された。

 少々分かり難いが、大きな成果はないものの堅実な実績があったと海外メディアの評価はまずまずのようである。ドイツのツァイト紙は、議長を務めた安倍首相について、国際政治の場で対立が深まる大国間の調停役に適任と評価し、一定の成果を挙げたとコメントしている。この背景には、G20サミット ばかりではなく、25日にイギリスで発表された5年ごとの通信簿「フューチャーブランド・カントリー指数」による高評価が影響している一面もあるのではないかと思う。その指数で日本は前回5年前に続き世界最高だった。1位の日本に次いで2位はノルウェイ、3位スイス、4位スェーデン、5位フィンランドで、トランプ大統領の言動が影響したとされるアメリカは7位から12位に転落、EU離脱で混迷のイギリスも12位から19位に順位を落とした。因みに韓国は20位、中国は29位だった。

 今回日本及び安倍首相の評価が高かったこと自体は喜ぶべきであるが、サービスが良いとされる日本への評価は、残念ながら額面通りに受け取れない点があることも事実である。一例を挙げれば、電車やバス車内でシルバーシートを若者が占領して傍にいるお年寄りに席を譲ろうとしない光景が日常化している。シルバーシートに座っている若者のほとんどは、スマホに夢中になっている。これなんか外国人が見たら首を傾げるのではないだろうか。日本人の「おもてなし」に疑問を感じる点である。

 さて、今日TBSテレビの長寿番組「世界ふしぎ発見!」で、新事実を知った。これまでに10回近く訪れたことがあるイタリアの古代遺跡ポンペイの歴史上の史実を変える出来事である。古代ローマでヴェスヴィオ火山が噴火してポンペイの街が一瞬にして消滅した日は、これまで西暦79年8月24日とされていた。しかし、昨年「ポンペイ第5地区」発掘調査の結果、家屋の壁に書き込まれていた日時から、実際には同年10月7日であることが明らかになった。歴史上の大きな訂正である。日本でも長い間鎌倉幕府は1192年に成立したとされていたのが、近年1185年と変更された。これからも新しい事実が発見されれば、修正や訂正があるだろう。歴史というものは確実な証拠が証明されれば、いつ変わるかもしれず、中々難しいものだ。

2019年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com