3285.2016年5月11日(水) 国立極地研究所神沼教授、南極について講義

 麹町の海事センタービルで毎月開催されている「JAPAN NOW観光情報協会」の観光立国セミナーに講師として、今日国立極地研究所・名誉教授の神沼克伊先生をお招きした。テーマは「白い大陸への挑戦と旅」と題してわが国の南極探検史と南極旅行についてお話しいただいた。わが国火山予知と南極研究の第一人者であるだけに、パワーポイントを使い難しい専門的な話から、南極観光に関する旅行事情まで、旅行業者でさえ知らない南極における種々の事故を始めとして、多岐に亘る南極話を分かりやすく説明してくれた。

 1月と4月に神沼教授の高校時代の友人である兄とともに食事をしたが、今日もやもめ暮らしの兄に声をかけて受講してもらった。他に設計建築士の知人とゼミの2人の友人にも受講してもらったが、設計建築士は職業柄やはり地震に関心があるようで、帰られてから早速大変有意義な講義だったとメールをいただいた。大方の評価は高かったので、講師を紹介した立場上嬉しく気分的にも安堵したところである。

 さて、今日は朝刊のみならず、夕刊までどの新聞もオバマ大統領の原爆被災地の広島訪問決定のニュースを大々的に取り扱い、テレビでもほとんどこの話題で持ちきりである。サミット終了後安倍首相もオバマ大統領に同行する予定という。

 それにしても日米両政府とも少々異常なくらいその報道に気を遣っている。日本政府はこれまで大統領に対して広島へぜひお越しくださいと具体的に招待を申し出たわけではなかった。アメリカの国内事情を慮ったからである。あくまでアメリカ政府が広島訪問を決定するのを密かに待ち望みながら、ただひたすら推移を見守っていたのである。広島訪問決定に日本政府はもちろん歓迎の意を表し、広島市も歓迎している。特に原爆被災者は挙って喜びの気持ちを表している。このニュースは日米のみならず、早速海外メディアも一斉に報道した。アメリカ国内では、特に在郷軍人会などは広島訪問を必ずしも喜ばない空気があった。それを極力彼らの抵抗を抑える形で、訪問が原爆投下による謝罪と受け取られない状況を見極めたうえでホワイトハウスが大統領の広島訪問を決定したのである。

 まだ、アメリカ国内にさざ波が立つ可能性はあるが、オバマ大統領にとっては残り任期が1年足らずとなり、その間に大きな実績、レガシーを残すとすれば、これこそまたとないチャンスであることも分かっている。オバマ大統領は2009年にプラハで世界非核構想を語り、非核化へ向けた熱意あるメッセージを世界へ発信し、大きな反響を呼び、それがノーベル平和賞受賞の大きな要因となった。その点では、その後目立った実績がなかったオバマ大統領にとっては、広島で非核化へ向けたメッセージを発することは、在任中の大きな実績になると思う。

 幸いアメリカ国内でもこの大統領広島訪問に対して現時点では格別大きな反対はないようだ。訪問は半月後であるが、それまでに大きな混乱がないことを祈っている。

2016年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com