4412.2019年6月11日(火) たるみ切った麻生財務相、金融庁と防衛省

 いま国が国民に不信感を与えている出来事が2つある。ひとつは、金融庁が老後に月5万円、30年で約2千万円が必要であると国民に資産形成として貯金するよう勧める報告書が、参院決算委員会で野党から厳しい批判を浴びたことである。アベノミクスが成果を上げたと自画自賛していた自民党は、思わぬ反撃をされる事態となった。「100年安心」と言っていた年金が、担保されるのか、改めて課題を提起することになった。現役世代の負担で高齢者の生活を支える年金制度を持続的に可能ならしめてこのまま年金制度を維持するのか、或いは支給水準を下げて制度自体を守りながら、若い世代の過重負担を取り除くのか、今後の大きな問題である。

 国会討論の場で金融庁も担当する麻生太郎財務相の説得力のない答弁には最早呆れるしかない。件の報告書を読み通していないばかりか、記者会見ではこの報告書自体を受け取らなかったことにするという、無責任な答弁をしていた。これには与野党とも呆れていた。自分が統括する金融庁が作成した報告書が、問題になったからと言って受け取らなかったことにするとは前代未聞で呆れるばかりである。これまでも失言、方言など麻生語録の多い麻生大臣は、あまりにも大臣としての資質に欠ける。国家国民にとってマイナスをもたらす大臣は、その職に綿々とせず、潔く大臣職から身を退くべきではないか。安倍首相は思い切って更迭すべきではないか。なぜ出来ないのか。

 もうひとつ国民が困惑している問題は、防衛省が迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の設置場所について、予定地の地元・秋田市における住民説明会で防衛省の失態が続き秋田県と防衛省の間で、話がまとまらず振り出しに戻ったことである。

 そもそも防衛省が地元に提出した報告書が、「イージス・アショア」設置予定地を実測せずに、安易にデジタル地球儀「グーグルアース」を使用した際縮尺を間違えたという初歩的なミスを犯したことである。昨日開かれた住民説明会では、住民から防衛省側に厳しい声が浴びせられた。8日の説明会ではその最中に防衛省職員が居眠りをしたことが住民の怒りに拍車をかけ、昨日岩屋防衛相と菅官房長官が反省の意を表した。

 これでは秋田市に設置する予定の「イージス・アショア」問題は、当分まとまらないだろう。住民側には防衛省に対する不信感が強まっている。佐竹敬久・秋田県知事も「防衛省に真摯な姿勢が見られない現状では、県有地の提供について検討の段階には至らない」と防衛省を批判している。

 相も変わらず杜撰な国家のありようである。

2019年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com