4409.2019年6月8日(土) 出生者最少の中、男子陸上100mで日本新

 少子高齢化が叫ばれて久しいが、統計的にもそれを裏付ける2018年人口動態統計が厚生労働省から公表された。出生数は91万人で過去最少だった。一方で死亡数は戦後最多の136万人で、出生者数から死亡者数を差し引いた自然減は約44万人で、過去最大の減少幅となった。相変わらず日本人の人口は年々減り続けている。

 戦争直後の第1次ベビー・ブーム時には、毎年200万人以上の新生児が生まれ、昭和24年には最高の269万人の出生を数え、実に昨年の出生者数のほぼ3倍だった。そんな赤ちゃんブームも、今では遠い昔の話になってしまった。私が生まれた昭和13年は、軍靴の足音が聞こえ「産めよ増やせよ」の軍国時代に入ったせいもあり、192万人も同年齢者がいた。昨年の出生者の2倍強もいたことになる。

 外国に比べてもこれだけハイ・スピードで少子高齢化が進むと、解決しなければならない問題や課題が次々と出てくる。少子化の原因としては、夫婦共稼ぎで子育てと仕事の両立の難しさや経済的な事情などが考えられる。さりとて仕事に専念できるようにするため必要な子どもたちの保育園や託児所の数が不足したまま、施設増設の声だけは上げるが政治には解決しようとのビジョンがはっきり見えない。

 それは自分たちにとって直接関係のない老後の資産形成についても、政治家たちに無責任な発言がよく発せられることでも分かる。。

 老後の資産形成について生活費が30年間に約2千万円不足すると金融庁が公表したが、まるで他人事のようで高齢者に対する思いやりと配慮があまりにも足りない。一方的に厳しい予想数値を公表するだけで救いの手を差し伸べようとはしないのだ。政官は、国民に不十分だとしても手助けできる方法を知らせるのが、彼らの責任であり使命である。にも拘わらず、現実はこの通りだから自分たちで努力しなさいと突き放すようなことばかりである。

 昨日麻生太郎・財務大臣は表現が適切でなかったと、口では反省すると言いながら渋面の顔には同情の気持ちを表すことなく、事実を言ったまでだと言わんばかりの記者会見のヤリトリに救いようのなさを感じた。

 これでは少子高齢化が抱える問題はとても解決されないだろう。

 さて、夕方になってアメリカからビッグ・ニュースが入って来た。フロリダ大留学中のサニブラウン・ハキーム選手が全米大学陸上選手権男子陸上100m決勝レースで、桐生祥秀選手の持つ日本記録、9秒98を破る9秒97の日本新記録を出したのである。アメリカ人短距離選手のレベルは高く、サニブラウン選手の着順は3位だった。2日前の準決勝では9秒96で走ったが、追い風参考記録だった。その100m決勝の後1時間足らずの間に行われた200m決勝でも、末続慎吾選手に次ぐ日本人選手歴代2位の20秒08を出した。まだ20歳の若さであり、今後益々の活躍が期待される。

2019年6月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com