4404.2019年6月3日(月) 産油国ベネズエラはどう生き抜くのか。

 現在発展途上国の中には政情不安定な国が多いが、その中でも地下資源で世界最大の埋蔵量を誇る原油田を持つ南米のベネズエラでは、クーデターもどきの騒ぎがあり、マドゥラ政権を非難するグアイド国会議長が、暫定大統領を名乗り軍に対して反政府の動きを仕掛けるなど穏やかならぬ異様な雰囲気に包まれていた。だが、革命的な騒動には至らなかった。

 ベネズエラは経済停滞により国民生活は極度の貧困状態に追い込まれている。今年3月には大停電が起き、3か月が経過した今になっても停電状態は解消されていない。首都カラカスに次ぐ第2の都市マラカイボでは水道もほぼ止まっているという。

 ベネズエラでは、社会主義を目指して、軍人だったチャベス前大統領が中心となって1999年ボリバル革命を起こした。残念ながら中途半端な形のまま政権には軍部が入り込んできた。政権は軍部に取り込まれ近年では要職を経営の知識がない軍幹部が占めるようになった。チャベス大統領は、物事を実行するために権力を行使したが、2013年チャベス大統領死去の後を継いだマドゥロ現大統領は権力維持のために権力を行使していると非難する声が上がっている。マドゥロ氏が革命とチャベス氏を殺してしまったという元閣僚もいる。アメリカから手を切られて親米国家に囲まれた南米の中でどう進んでいくのだろうか。国家産業の石油会社は、反大統領派の社員を解雇して、自らの支持者を大量雇用した。経済は超インフレ状況で国民は疲労困憊状態である。作業員の平均月収は、1,600㌦から僅か8㌦まで下がった。これで現実に生活していけるだろうか。

 現状では自力経済回復は望み薄で、巨大な石油埋蔵を誇りながら国家破綻の道を歩き始めた。ひとりの権力者が全権を握るまでは許せるとしても、その後のお粗末な経営によって全国民が経済破綻の影響を被る。

 中南米では、この他にエルサルバドルでブケレ新大統領が就任した。ここは、前政権が台湾を放棄して中国と結んだ国交を検証していくという。目先の損得勘定ではなく、国家として将来を見据えて、国民あっての国家であると認識したうえで進むべき道を考えて欲しいものである。

 今日は雲仙・普賢岳が噴火して大火砕流により消防団員、警察官、報道関係者ら43名が死亡、行方不明となってからちょうど28年に当たる。山から噴煙と火砕流がテレビ画面に向かって流れ出てくるシーンが記憶に残っている。その後しばらくして長崎・雲仙方面を訪れたが、島原市内の街は死んだように暗いムードだったことが忘れられない。

2019年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com