4405.2019年6月4日(火) 天安門事件から30年、中国益々監視国家へ

 今からちょうど30年前中国北京の天安門広場で、民主主義を弾圧する共産党政府に対する反対デモをしていた群衆に対して、人民解放軍が銃弾を撃ち込み戦車で踏みにじった。これに抵抗する市民との間で大きなトラブルとなり多数の死傷者を出した。犠牲者の数は、当局の発表では319人とされているが、実際には遥かに多く数千人と言われている。

 中国政府は広場で座り込みを続ける無抵抗な学生や市民らを暴力的に弾圧したが、あれから30年を経て中国では、今も民主化運動監視のため抑圧が続けられている。

 大学では民主化や天安門事件に触れる講義は、教室内に設置されたカメラで監視されている有様である。新疆ウィグル地区の職業訓練センターではウィグル少数民族の中国化、洗脳化を進めている。偶々この30年間に経済が飛躍的に発展したために、共産党指導部は指導力と統制に自信を持っている。反乱を抑えたことが、今日の経済発展となったと事実を偽って得意げに語っているていたらくである。政府は事件を「政治的風波(騒ぎ)」として矮小化し、最近では「反革命暴乱」と表現して正当化している。今や国内で事件を口にすることはタブーとなっている。市内で通行人に取材してもほとんどこの事件を知らない。今日も中国政府広報官は、今日も事件報道には神経質にテレビで関連情報が流されると画面は消えた。外国人記者は、一定の地域でしか取材出来ない。

 アメリカのポンペイオ国務長官は、「中国政府は死者や行方不明者について完全な説明を行い、歴史の暗部で犠牲となった人々の痛みを和らげるように促す」、「より開かれた寛容な社会になることを期待したが、希望は打ち砕かれた」と語った。これに対して中国政府は内政干渉だと不満を述べた。

 日本政府は、これまでも天安門事件に関して中国政府に何らの意見も述べることをしていない。事件直後に日本は各国とともに中国に対して制裁を加えたが、翌年日本は制裁をさっさと解除した。中国から反発を買うことを恐れたのだろうが、少なくとも同盟国と提携して、民主化に反している中国監視社会の実態について率直な意見をぶつけても良いのではないか。

 さて、今日6月4日は、語呂合わせで「虫の日」とか、「虫歯予防デー」と言われているが、かつての陸軍航空第5飛行師団隷下の「飛行第64戦隊」(通称:加藤隼戦闘隊)にとっても所縁の日である。毎年6月4日に靖国神社で行われた慰霊祭に参加したことが懐かしく想い出される。仕事柄長い間旧厚生省主管の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業と、各戦友会の戦跡巡拝団に携わっていたせいで、各戦友会とのお付き合いが長かった。とりわけ飛行第64戦隊戦友の方々には約20年間に亘ってご交誼をいただいた。そのため戦友の皆さんと靖国神社昇殿参拝をして、懇親会で厳しかったビルマ戦線について興味深い話を伺ったことが懐かしい。光陰矢の如しである。

2019年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com