4358.2019年4月18日(木) 思惑絡みのそれぞれの大統領選

 最終的な結果はまだ発表されていないが、昨日行われたインドネシア大統領選の結果、ジョコ・ウィドド大統領の再選が決まりそうである。2014年の選挙と同じジョコ大統領と元軍人のプラボウォ氏の対決となったが、貧しい家庭出で庶民派のジョコ氏がプラボウォ氏に10%の差をつけた。最も期待されているのは、経済政策で天然資源の一次産品輸出に頼る産業構造を、製造業を育成し加工輸出型に転換することである。残念ながら初当選した時掲げた年7%成長の目標には届かず、成長率は5%だった。イスラム教徒が国民の9割を占めるインドネシアでは、宗教上の理由もあり思うように経済実績が上がらない。2017年には製造業の進出先国としてタイやベトナムにも追い抜かれた。ジョコ大統領にとって2期目のこれからが真価を問われるだろう。

 一方で、エジプトでは大統領任期の延長と軍の役割強化を謳った憲法改正案が一昨日可決された。これについて近日国民投票が行われ過半数を獲得すれば成立する。そうなると軍出身のシーシ大統領は最長で2030年までその地位に留まることが出来る。一旦最高位の地位に就くと権力志向が高まり独裁色が強くなって、長くその地位に留まりたいとの私欲が生まれるのだろう。シーシ大統領は前回2018年に大統領に当選し、6年の任期を務めることになっていたが、憲法が改正されたことにより暫定条項が設けられもう一期立候補することが可能となった。自己都合により可能なら極力その地位に留まっていようと試みる。国民生活のレベルが向上するならともかく、これに国民は真に納得しているのだろうか。

 21日には今世界中から注目されているウクライナの大統領選の決選投票が行われる。意外にもタレントのゼレンスキー氏が現職ポロシェンコ大統領に倍近い差をつけてトップの座を射止めた。ゼレンスキー氏が決選投票でまたもや現職を倒すことが出来るか。政治経験のまったくないゼレンスキー氏は、ポロシェンコ氏とのディベートを避けている。大観衆が入ったスタジアムなら論戦を望むと大統領に伝えたところ、大統領はこれを受けた。さぁ~この結末はどうなることやら。

2019年4月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com